収縮胞(読み)シュウシュクホウ

デジタル大辞泉 「収縮胞」の意味・読み・例文・類語

しゅうしゅく‐ほう〔シウシユクハウ〕【収縮胞】

淡水産の原生動物にみられる空胞収縮拡張を繰り返し、体内老廃物排泄はいせつ浸透圧調節作用を行う。

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精選版 日本国語大辞典 「収縮胞」の意味・読み・例文・類語

しゅうしゅく‐ほうシウシュクハウ【収縮胞】

  1. 〘 名詞 〙 主に淡水産原生動物の体内にある空胞。収縮と拡張を周期的に繰り返し、体内の浸透圧を一定に保つために余分の水分排出する働きをする。膨伸縮。

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百科事典マイペディア 「収縮胞」の意味・わかりやすい解説

収縮胞【しゅうしゅくほう】

原生動物などの細胞器官一種で,周期的に収縮と拡張を行う液胞。水分調節浸透調節)がおもな機能で,細胞質から液を集めて体外に放出する。外部環境と体液との間の塩類濃度の差が大きい淡水産原生動物によく発達海産内部寄生性の種では欠くものが多い。淡水産カイメンやボルボックスなどの栄養細胞などにもみられる。
→関連項目アメーバ液胞細胞器官排出器官

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「収縮胞」の意味・わかりやすい解説

収縮胞
しゅうしゅくほう

淡水産の原生動物に特有の液胞で、主として浸透圧の調節を行う。多く種類では1個であるが、2個以上の場合もある。胞は周期的に拡張と収縮を繰り返し、膨れるときには体内の余分な水が集められ、縮むときには胞液を瞬時に体外へ排出し、胞の姿が消失する。収縮の動力は体の内圧による。胞の構造は動物の種類によって異なるが、体と同じ体積の液量を排出するのに約50分間かかる。

[片島 亮]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「収縮胞」の意味・わかりやすい解説

収縮胞
しゅうしゅくほう
contractile vacuole

原生動物にみられる拡張と収縮を周期的に繰返し,排出や浸透圧調節の機能をもつ空胞。淡水産原生動物は,これを必ずもち,海産や内部寄生の種では繊毛虫類以外ではこれを欠くことが多い。数や形は種類により異なる。

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世界大百科事典(旧版)内の収縮胞の言及

【液胞】より

…藍藻類の細胞には液胞はあまり発達しないが,ユレモなど浮遊性のものには細胞液の入らない空胞gas vacuoleをもつものがある。なお原生動物にみられる食胞・収縮胞を液胞の一種とみなすこともある。【岩槻 邦男】。…

【排出】より

…これらの動物では窒素老廃物は水に難溶性の尿酸として排出される(尿酸排出動物)。腎臓尿【佃 弘子】
【排出器官excretory organ】
 無脊椎動物の排出器官は収縮胞,原腎管,腎管の三つに大別され,その形態や構造はさまざまである(表)。排出器官は本来,代謝の結果生じた老廃物を排出するための器官であるが,それに伴う種々な働き,例えば浸透圧調節や体液中の各種のイオン濃度の調節などにも関係し,環形動物では生殖細胞の体外への放出にも利用されている。…

※「収縮胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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