クラーク数(読み)クラークスウ(英語表記)Clarke number

デジタル大辞泉 「クラーク数」の意味・読み・例文・類語

クラーク‐すう【クラーク数】

Clarke number地球表面下約16キロまでの元素の存在比を質量百分率で示したもの。米国の地球化学者クラークにより算出された。

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精選版 日本国語大辞典 「クラーク数」の意味・読み・例文・類語

クラーク‐すう【クラーク数】

〘名〙 (クラークはアメリカの地球化学者 F.W.Clarke から) 地表下一〇マイル(約一六キロメートル)までの地球表層の各元素の平均存在度を、重量百分率で表わした数値。アメリカのF=W=クラークとH=S=ワシントンによって算出されたのでこの名がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「クラーク数」の意味・わかりやすい解説

クラーク数 (クラークすう)
Clarke number

1924年,クラークF.W.ClarkeとワシントンH.S.Washingtonによって推定された〈地表下10マイル(約16km)までの地球表層の元素存在度を重量%で表した数値〉。彼らは,火成岩5159個の分析値の単純平均岩石圏(93.06%)の化学組成とし,海水(6.91%)と大気(0.03%)の組成も加えて,元素存在度を計算した。その後の地球科学進歩により,クラーク数は歴史的な重要性をもつにすぎない。しかし,この用語地殻の元素存在度の意味や平均火成岩の元素存在度の意味などで,誤って用いている場合があるので注意を要する。
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百科事典マイペディア 「クラーク数」の意味・わかりやすい解説

クラーク数【クラークすう】

1924年に米国の地球化学者F.W.クラークとH.S.ワシントンによって与えられた地表10マイル(16km)までの構成元素の平均重量百分率。16kmまでを地表の岩石と同じ物で構成されている〈地殻〉と考え,これに気圏水圏をも加え,3者の割合を気圏0.03%,水圏6.91%,岩石圏93.06%として求めたもの。OとSi多く,この二つで約75.3%を占め,1%以上の元素としてはAl,Fe,Ca,Na,K,Mgがあり,八つを合計すると全体の97.9%を占める。今ではあまり重視されていない。→元素の宇宙存在度

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラーク数」の意味・わかりやすい解説

クラーク数
くらーくすう

地表付近における各元素の平均存在度をパーセントで表した数値。アメリカの地球化学者F・W・クラークと同じく地球化学者・岩石学者であったH・S・ワシントンは、火成岩の分析値5159例を平均して、地下16キロメートルまでの岩石圏の化学組成とし、それに大気と海水を加えて地球表層部の平均化学組成を計算した。この数値に、ソ連の地球化学者・鉱物学者のA・E・フェルスマンがクラーク数の名を与えた(1933)。なお大陸地殻と海洋地殻の構造や化学組成の違いが明確になった現在、大陸地域の火成岩を主体に計算したこの数値を元素の地殻存在度の意味で使用するのは避けたほうがよい。

[千葉とき子]

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法則の辞典 「クラーク数」の解説

クラーク数【Clarke's number】

米国地質調査所のクラーク(F. W. Clarke)が,海水面下10マイル(16km)までの岩石は地表に存在する岩石と成分においては大きな差がないと見なし,これに水圏と大気圏を加えた部分すなわち重量百分比にすると岩石圏93.06%,水圏6.91%,大気圏0.03% を「直接に知りうる地球の表部」として,この中に存在する元素の重量百分比を算出した.微量元素についてはその後も改訂が続けられているが,主要元素においてはおおむね当初の値のままである.「クラーク数」という名称はフェルスマン(A. Fersmann)の提唱による.

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化学辞典 第2版 「クラーク数」の解説

クラーク数
クラークスウ
Clarke number

F.W. Clarke(クラーク,1924年)は,深さ16 km までの地殻の各種の岩石,水,大気の成分の分析結果を総合して,地殻,水圏および大気に元素が平均的にどのような割合で存在しているかを示す重量百分率を算出した.この重量百分率をA.E. Fersmanの提唱によりクラーク数という.たとえば,酸素49.5,ケイ素25.8,アルミニウム7.56などである.

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栄養・生化学辞典 「クラーク数」の解説

クラーク数

 地殻中の元素の平均重量パーセント.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラーク数」の意味・わかりやすい解説

クラーク数
クラークすう

元素の存在度」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のクラーク数の言及

【地球】より

… 地殻は,地球全体の質量の0.4%を担っているにすぎないが,その平均化学組成は,地表岩石の多くの分析値をまとめて,古くから推定されてきた。そのなかでも,1924年にクラークF.W.Clarkeが発表した値が有名であり,〈クラーク数〉と呼ばれている。その後多くの化学組成が発表されており,今日では〈クラーク数〉は歴史的な重要性をもつにすぎない。…

※「クラーク数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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