クレープ(その他表記)crêpe[フランス]

デジタル大辞泉 「クレープ」の意味・読み・例文・類語

クレープ(〈フランス〉crêpe)

細かな縮みじわをつけた薄手の織物総称
縮緬ちりめん
縮みじわをつけた薄紙紙ナプキン造花などに用いる。縮緬紙クレープペーパー
小麦粉牛乳・卵などを合わせて溶いたゆるい生地をごく薄く焼いたもの。ジャムなどをくるんだりして食べる。

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精選版 日本国語大辞典 「クレープ」の意味・読み・例文・類語

クレープ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] crêpe [英語] crape, crepe )
  2. 布の表面に縮緬(ちりめん)風のしぼのある織物の総称。縒(よ)りの強い糸を使って織ったもので、糸の収縮を利用してしぼを出す。縮地綿布。ちぢみ。〔モダン辞典(1930)〕
  3. クレープシャツ」の略。
  4. クレープペーパー」の略。
  5. 小麦粉に牛乳などを加えてねり、薄くのばして焼いた菓子。ジャムやクリームをぬり、折ったり、巻いたりして食べる。

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改訂新版 世界大百科事典 「クレープ」の意味・わかりやすい解説

クレープ
crêpe[フランス]

フランスのパンケーキの一種。小麦粉に卵,牛乳などを混ぜたなめらかなゆるい生地をごく薄く焼いたもの。そば粉を混ぜたり,焼き上がりをしっとりとさせ,風味をよくするために溶かしバターや砂糖を加えたりする。厚手で縁の浅いよくなれた専用のフライパンを使うのが上手につくるこつで,これに薄く油を塗り,生地を均一に薄く流し入れる。生地の周囲に少し焼き色がついたら裏返して焼き上げる。表面がちぢみ状になるところからクレープ(ちりめんの意)の名があるという。フランスでは,古くから焼きたてに粉砂糖をふりかけたり,ジャムやクリームを包んでおやつとされている。2月2日の〈聖母お潔(きよ)めの祝日〉や謝肉祭の最後の日にクレープを焼いて祝う習慣も守られている。ブルターニュ地方のように,コムギの栽培ができなかったところでは,そば粉でつくってパンがわりの主食とされたこともある。街には焼きたてのクレープを立食いする人々でにぎわう屋台店やクレープ料理専門店がみられる。軽食用にハムやエビのクリーム煮を包んだり,グラタンにしたり,アイスクリームを包んでデザートにするなど,利用範囲は広い。レストランなどで出される〈クレープシュゼット〉は,オレンジソースで軽く煮込んだクレープに,コニャックあるいはオレンジのリキュール(コアントロー,グランマルニエなど)をふりかけ,最後に客の目の前で火をつけてサービスする香り高いデザートである。
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クレープ
crêpe[フランス]

たて糸またはよこ糸,あるいは両者に強撚糸を用いた平織物(ときにはサテンなど)を,熱セッケン水などで処理し強撚糸を収縮させて〈しぼ〉を出したもの。この処理をしぼ立てまたはクレープ加工という。日本のちりめんはこのクレープの一種で,16世紀に明より伝わったものである。クレープにはいろいろ種類が多い。クレープデシン(デシンと俗称)はその代表的なもので,フランスから輸入されたのでフランスちりめんともいう。絹のほか,ナイロン,銅アンモニアレーヨン(商品名ベンベルグ)などを用いている。よこ糸に強撚糸を使った綿のクレープは,肌触りがさらりとし,夏用の肌着などに向く。よこ糸に強撚糸を使った梳毛(そもう)織物で黒に染めたクレープはcrapeと綴ることが多く,欧米では聖職者の衣服や,喪服,喪章として使われていた。
クレープデシン →縮緬(ちりめん)
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレープ」の意味・わかりやすい解説

クレープ
くれーぷ
crape

強撚糸(きょうねんし)を使った縮緬(ちりめん)や、縮(ちぢみ)などの総称。とくに洋装生地をさしていることが多い。経糸(たていと)または緯糸(よこいと)、あるいはその両方に強撚糸を使い、製織したのち、糊(のり)抜き、精練などをして織り面を収縮させ、しぼをつくるが、撚(よ)りの方向、撚り回数、撚り糸の使い方などによって、変化のある織物ができる。

 近世になってから、撚糸機の発達から急激に用いられ、主体である絹以外に、綿、毛、麻にも応用され、多くの種類を生んだ。とくに絹のクレープは、柔らかな肌ざわりと軽やかさのため、寝巻、肌着、ブラウスなどの生地に使われる。

[角山幸洋]


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百科事典マイペディア 「クレープ」の意味・わかりやすい解説

クレープ(織物)【クレープ】

布面に波状のちぢれを出した織物の総称。和服地の(ちぢみ)織に相当する。一般には強撚(きょうねん)糸を経(たて)または緯(よこ)に用いて織りちぢれを出すが,最近はロールで型押しするエンボス加工によるものなどもある。絹地のクレープはフォーマルな婦人服,服飾品,裏地などにし,クレープデシン,クレープサテンなどがある。綿クレープは涼感があるので夏の服地や下着とされる。最近は化繊や合繊も用いる。

クレープ(食品)【クレープ】

フランスのパンケーキの一種。小麦粉に卵,牛乳などを混ぜたなめらかなゆるい生地をごく薄く焼いたもの。表面がちぢみ状になるところからクレープ(ちりめんの意)の名がある。焼きたてに粉砂糖をふりかけたり,ジャムやクリーム,果物などを包んで食べたりする。レストランでは,オレンジソースで軽く煮たクレープにコニャックなどをふりかけ,客の目の前で火をつける〈クレープシュゼット〉を出すところもある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレープ」の意味・わかりやすい解説

クレープ
crepe

強撚糸を使用して布面にしぼを表わした縮 (ちぢみ) 織物の総称。同義語として,縮緬 (ちりめん) ,などがあり,一般には絹または絹風の人造繊維織物を縮緬,木綿または木綿風のものを縮,洋装用布地をクレープと呼ぶ。繊維は絹,綿,人造繊維。組織は平織,繻子織など。柄は無地,縞,紋,プリント。種類はクレープデシン,カントンクレープ,ファイユクレープなど,材料,産地,織などにより種々の名称がある。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「クレープ」の解説

クレープ【crêpe(フランス)】

小麦粉・牛乳・卵・バターなどを混ぜた生地をごく薄く円形に焼いた食べ物。特に、生地に砂糖を入れて焼き、バター・チョコレート・ジャム・果物・種々のクリームなどを中に入れて巻いたりたたんだりした菓子をさすことが多い。

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デジタル大辞泉プラス 「クレープ」の解説

クレープ

1993年公開の日本映画。監督・脚本:市川準、原作:伊集院静による小説『乳房』。出演:田代まさし、南果歩、堀江奈々、渡辺いっけい、大久保鷹、向井田彩子、加倉井えりほか。

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栄養・生化学辞典 「クレープ」の解説

クレープ

 コムギ粉,卵,砂糖,牛乳などを原料にして薄く焼きあげたもので,中にジャム,野菜,肉などをはさんで食べる.

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世界大百科事典(旧版)内のクレープの言及

【クレープ】より

…フランスのパンケーキの一種。小麦粉に卵,牛乳などを混ぜたなめらかなゆるい生地をごく薄く焼いたもの。そば粉を混ぜたり,焼き上がりをしっとりとさせ,風味をよくするために溶かしバターや砂糖を加えたりする。厚手で縁の浅いよくなれた専用のフライパンを使うのが上手につくるこつで,これに薄く油を塗り,生地を均一に薄く流し入れる。生地の周囲に少し焼き色がついたら裏返して焼き上げる。表面がちぢみ状になるところからクレープ(ちりめんの意)の名があるという。…

【縮】より

…縮織の略。洋服地のクレープcrapeにあたる。生地全体にしぼ(皺),しじら(縬)のある織物の総称。…

※「クレープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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