クロスカントリー・レース(読み)クロスカントリーレース

百科事典マイペディアの解説

クロスカントリー・レース

断郊競走とも。野原,森,丘陵などを横断して指定されたコースを走る競技。19世紀後半英国で始まり,欧米では非常に人気がある。距離はとくに限定されていないが,一般に男子は10〜15km,女子は2〜5kmで,赤旗と白旗を立ててコースを指定する。個人競技と団体競技があり,近代五種競技の一種目でもある。最初にクロスカントリーを組織したのは,ロンドンのテムズ・ボートクラブで1867年のこと。冬季のトレーニングとしてこれを採用したという。1877年には第1回英国選手権が,1890年には米国の選手権が開催された。国際レースは1898年に英国とフランスの間で行われた。1903年に国際クロスカントリー連盟が設立。オリンピック陸上競技としては1912年のストックホルムオリンピックから1924年パリオリンピックまで3大会男子個人・団体が実施されたが,その後採用されなかった。冬季オリンピックノルディック競技のクロスカントリーは1924年のシャモニー・モンブランオリンピックから採用された。1936年のガルミッシュ・パルテンキルヘンオリンピックからリレー種目が追加され,1952年のオスロオリンピックから女子種目も追加された。冬季オリンピックの人気種目である。走法の異なるクラシカル走法とスケーティング走法のどちらか一方,または両走法を組み合わせた複合によって争われる。近年のオリンピックでは,男子が15km,50km,4×10kmリレー,スプリント,チームスプリント,パシュート,女子が10kmクラシカル,30km,4×5kmリレー,スプリント,チームスプリント,パシュートで競われる。男女ともノルウェー,スウェーデン,フィンランドの北欧勢が強く,ロシアも強豪である。
→関連項目オリエンテーリング距離競技ダカール・ラリーマウンテンバイク陸上競技

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クロスカントリー・レース
くろすかんとりーれーす
cross-country race

陸上競技の1種目。スキーの距離競技でも「クロスカントリー」の語を使う。陸上競技種目の場合は、競技場のトラックを離れ、森、野原、丘などを走る長距離競走で、断郊競走ともいう。陸上競技のシーズンが終了した冬季期間に行うのが望ましいとされ、コースは可能な限り草で覆われた自然の障害物がある広い地域または森林地帯で設定しなければならないと決められている。トラックのオフシーズンに長距離選手がトレーニングの一助として参加するケースも多い。
 19世紀後半、イギリスの子供の追いかけっこの一つであるペーパーチェイスpaper chaseにヒントを得て始まったといわれ、1877年に第1回のイギリス選手権大会が開かれ、1903年には国際クロスカントリー連盟が設立された。オリンピックでも1900年の第2回パリ大会から陸上種目となり、1924年の第8回パリ大会まで続いたが、パリ大会が炎天下のレースとなり倒れる選手が続出したこともあって以後中止となった。
 1973年から国際陸上競技連盟主催の世界クロスカントリー選手権が毎年行われている。距離は男子はシニアが12キロメートル、ジュニアが8キロメートル、女子はシニアが8キロメートル、ジュニアが6キロメートルが基準となっている。個人戦と団体戦があり、団体戦は各競技者の順位を得点に換算、チームの合計で勝敗を争う。コースによって条件が違うため、記録は公認されない。
 日本では千葉国際クロスカントリー大会(千葉、昭和の森公園)や福岡国際クロスカントリー大会(福岡、海の中道(なかみち)海浜公園)が有名。福岡コースでは2006年(平成18)に世界選手権が行われた。[加藤博夫]

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