グラミン銀行(読み)グラミンギンコウ

デジタル大辞泉 「グラミン銀行」の意味・読み・例文・類語

グラミン‐ぎんこう〔‐ギンカウ〕【グラミン銀行】

ムハマド=ユヌスバングラデシュに設立した銀行農村部貧困層を主な対象として無担保低利少額融資を行い、自立を支援する。借り手の多くが女性。融資の返済率が高く、採算が取れているため、政府援助に過度に頼らず融資先を拡大することが可能で、社会的企業の典型的な成功例とされる。同銀行とユヌスは2006年にノーベル平和賞受賞

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知恵蔵 「グラミン銀行」の解説

グラミン銀行

マイクロクレジットと呼ばれる小口融資を専門にするバングラデシュの民間銀行。グラミンは「村」の意味。1976年に農村の主婦らに低金利で少額の融資を行い、生活向上の支援をする非政府組織(NGO)として発足。83年に銀行として政府の公認を得た。創始者は現在の総裁であるムハマド・ユヌス元チッタゴン大学教授。バングラデシュ独立と同時に滞在先の米国から帰国し、農村の女性自立を支援する活動に着手した。ところが、銀行から資金を借りる事業は困難の連続だったため、結局、自ら資金を集めて貸し付けようと考え、銀行設立を決断した。借り手の多くが貧農や女性。無担保で貸し付け、年50回の分割返済。返済は仲間5人との連帯責任で行う。今では、バングラデシュ全国に支店約2200、職員約1万8000人の「大銀行」になったといえる。しかも、返済率は98%の好成績だ。マイクロクレジットは、貧困救済のモデルとして世界的な評価を得つつあり、アフリカなど他の途上国にも広がりを見せている。

(竹内幸史 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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