ケアンズ(その他表記)Cairnes, John Elliott

デジタル大辞泉 「ケアンズ」の意味・読み・例文・類語

ケアンズ(Cairns)

オーストラリア、クイーンズランド北東部の港湾都市。同州北部の中心地。1770年にジェームズ=クック一行が初めて同地を調査。後背地に豊かな農業地帯が広がり、サトウキビをはじめとする農産物積出港として発展グレートバリアリーフ北部への観光拠点。

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精選版 日本国語大辞典 「ケアンズ」の意味・読み・例文・類語

ケアンズ

  1. ( John Elliot Cairnes ジョン=エリオット━ ) イギリスの古典派経済学者。アイルランド生まれ。リカードの経済学を基礎において、財の需給、生産費などについての理論を発展させた。主著「経済学の性格と論理的方法」。(一八二三‐七五

ケアンズ

  1. ( Cairns ) オーストラリア東北部、太平洋に臨む都市。クイーンズランド州北部の一中心。グレートバリアリーフが前面に広がり、多くの観光客が訪れる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケアンズ」の意味・わかりやすい解説

ケアンズ
Cairnes, John Elliott

[生]1823.12.26. キャッスルベリンガム
[没]1875.7.8. ロンドン
イギリスの経済学者。ダブリントリニティ・カレッジを法学専攻で卒業後,経済学の研究に入り,1856年同大学経済学教授,また 59年ゴールウェーのクイーンズ・カレッジ経済学法学教授,66年ロンドンのユニバーシティ・カレッジ経済学教授に就任。その経済学理論は,D.リカード,N.シーニアー,J.S.ミルの流れをくむもので需要供給説を軸に展開されており,とりわけ異なる階層間には競争が存在しないことを打出した非競争集団の理論にその特色がある。また経済学は自然科学のような厳密な科学でなければならないこと,その方法は実験が不可能であるから帰納的ではありえず,演繹的であることを主張している。主著『経済学の性格と論理的方法』 The Character and Logical Method of Political Economy (1857) ,『経済学の若干の指導的原理の新展開』 Some Leading Principles of Political Economy Newly Expounded (74) 。

ケアンズ
Cairns

オーストラリア,クイーンズランド州北東岸の都市。ブリズベン北方約 1700km,東海岸沿いの鉄道,道路の終点。 1870年代に奥地の金とスズの鉱山のための基地,港湾として建設された。現在は同州最北部の中心都市。海岸平野のサトウキビ地帯およびアサートン台地のタバコ,酪農地帯を後背地とした農産物の集散,加工,輸出,近くの熱帯雨林による木材,家具工業,グリーン島はじめグレートバリアリーフを控えた観光産業によって発展している。南のブリズベンおよび西のアサートン台地と鉄道で,国内各地およびパプアニューギニアと航空路で結ばれている。港に大規模な砂糖積込み施設がある。人口4万 9334 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケアンズ」の意味・わかりやすい解説

ケアンズ(John Elliot Cairnes)
けあんず
John Elliot Cairnes
(1823―1875)

イギリスの経済学者。ダブリンのトリニティ・カレッジ卒業後、1856年同大学経済学教授、59年ゴールウェーのクイーンズ・カレッジの経済学・法律学教授、66年ロンドンのユニバーシティ・カレッジの経済学教授となる。リカード、J・S・ミル、シーニアらの影響を受けた、イギリス古典派経済学の解体期を代表する学者。経済学は演繹(えんえき)に基づく厳密な科学であるべきだとする経済学方法論に関する著作『経済学の性格と論理的方法』The Character and Logical Method of Political Economy(1857)をもつ。また、職種の異なる階層間では競争が存在しないとする「非競争集団」の理論を提唱した『経済学の若干の指導的原理の新展開』Some Leading Principles of Political Economy Newly Expounded(1874)も有名である。

[千賀重義]


ケアンズ(オーストラリア)
けあんず
Cairns

オーストラリア、クイーンズランド州北東岸の都市。人口13万3199(2001)。同州最北部の地方中心都市で、海岸のサトウキビ地帯からの粗糖を、港から輸出、移出する。背後に肥沃(ひよく)なアサートン台地、前面にグレート・バリア・リーフを控え、冬季には避寒客が訪れる。ブリズベン(南へ道路で1500キロメートル余り)に航空路、鉄道、道路が通じる。1876年、金鉱基地として開かれた。名称は当時の植民地総督名に由来。

[谷内 達]

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改訂新版 世界大百科事典 「ケアンズ」の意味・わかりやすい解説

ケアンズ
Cairns

オーストラリア,クイーンズランド州北東岸の都市。人口12万3775(2005)。海岸のサトウキビ地帯,背後のアサートン台地,前面のグレート・バリア・リーフをひかえた同州最北部の地方中心都市。港から粗糖を輸・移出する。州都ブリズベーンに航空路,鉄道,道路が通じる。熱帯気候で冬に同国南部から避寒客が訪れる。1876年開基(金鉱基地),1923年市制。市名は開基当時の植民地総督名に由来する。
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百科事典マイペディア 「ケアンズ」の意味・わかりやすい解説

ケアンズ

オーストラリアのクイーンズランド州北東部にある都市。19世紀末から金,スズの発見とサトウキビの栽培で発展した。トリニティ湾に臨む港は,今もオーストラリアの主要な砂糖の積出港である。また周辺で生産される農畜産物の集散地で,酪農品や農産物の加工,木材加工なども行なわれている。沖合にはグレート・バリア・リーフが広がり,世界的な観光地として名高く,国際空港がある。人口12万3775人(2005)。

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367日誕生日大事典 「ケアンズ」の解説

ケアンズ

生年月日:1823年12月26日
イギリスの経済学者
1875年没

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