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ケロール Cayrol, Jean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ケロール
Cayrol, Jean

[生]1911.6.6. ボルドー
[没]2005.2.10.ボルドー
フランスの詩人,小説家。文学と法律を学び,図書館の司書になったが,第2次世界大戦中レジスタンスに参加しドイツに抵抗したが,捕えられて終戦まで強制収容所に入れられた。作品には高いキリスト教精神がみられ,絶望的状況のなかでの人間同士の絆,まやかしでない真の存在を求め,それらを失っていく悲劇的な姿を描くことで,人間救済の道を暗示しようとした。主著には,詩集『夜と霧の詩』 Poèmes de la nuit et du brouillard (1945) ,小説『他者への愛に生きん』 Je vivrai l'amour des autres (3部作,1947~50,ルノドー賞) ,『異物』 Les Corps étrangers (1959) ,『真昼,真夜中』 Midi,Minuit (1966) 。 1974年アカデミー・ゴンクール会員。

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百科事典マイペディアの解説

ケロール

フランスの作家・詩人。ボルドー生れ。第2次世界大戦において,ナチス・ドイツに対してのレジスタンスに参加,逮捕されて強制収容所に送られた。この時の体験を基にして,代表作《夜と霧の詩篇》を執筆した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケロール
けろーる
Jean Cayrol
(1911―2005)

フランスの詩人、小説家。ボルドーの生まれ。1928年から詩作を発表。第二次世界大戦中抵抗運動に加わって捕らえられ、強制収容所の地獄を経験。すでに詩作にみられた、死を通して生を見据える「ラザロ的」文学世界は、この不在と拒否の世界の体験によって決定的に深められた。「夜と霧」の間からよみがえって、剥奪(はくだつ)された世界の存在感を回復しようとする者の世界である。人は、肉体と魂を病む不完全な者として、記憶と夢想の入り交じる非日常化された日常世界のなかを、自己の存在の証明を空しく求めながらさすらう。その視点と方法によってヌーボー・ロマンの先駆となる。小説に3部からなる『他者への愛に生きん』Je vivrai l'amour des autres(1947。ルノード賞)、『異物』Les corps trangers(1959)、『真昼・真夜中』Midi-Minuit(1966)、『その声はいまも聞こえる』Je l'entends encore(1968)など。また69年以降、寓意(ぐうい)的表現のなかに新たな世界の回復を目ざす『牧場の物語』Histoire d'une prairie以下一連の「物語」シリーズがある。詩集に『夜と霧の詩』Pomes de la nuit et du brouillard(1945)、『言葉もまた住処(すみか)Les mots sont aussi des demeures(1952)、『詩日記』Posie-Journal(1969.77.80)、評論に『われらの間のラザロ』Lazare parmi nous(1950)、『人間的空間』De l'espace humain(1968)などがあり、80年代には、『太陽にさらされて』Exposs du soleil(1980)、『自然よりも白い夜々』Des nuits plus blanches que nature(1986)などの短編集があり、90年代に入ってからは、『声高く』A voix haute(1990)など詩作品の刊行が目立った。[小林 茂]
『弓削三男訳『異物』(1967・白水社) ▽弓削三男訳『真昼 真夜中』(1971・白水社) ▽篠田知和基訳『その声はいまも聞こえる』(1973・白水社)』

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