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ゲンゴロウ Dytiscidae; water beetle; predaceous diving beetle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲンゴロウ
Dytiscidae; water beetle; predaceous diving beetle

鞘翅目ゲンゴロウ科に属する昆虫の総称。小~大型の硬い水生昆虫で,体は扁平な卵形で,背腹両面ともに凸レンズ状にふくらむ。頭部は幅広く,触角は糸状で 11節から成る。肉食性のため口器の大腮は鋭く,中空で,獲物の体液を吸うのに適している。肢は遊泳に適し,前・中肢の基節は小さいが後肢のそれはきわめて大きい。脛節は短く扁平で,大きい距があり,跗節とともに長い遊泳毛をそなえる。雄の前肢の 跗節は変形して吸盤になり,雌を保持するのに役立つ。上翅 (翅鞘) は完全に腹部をおおい,後翅は発達し,よく飛ぶ。水中生活にきわめてよく適応し,遊泳は巧みで迅速である。幼虫も水生で,体は細長く,肉食性。世界に約 4000種以上,日本に約 90種を産する。ゲンゴロウ Cybister japonicusは体長 35~40mmの大型種で,体は黒色でやや緑色光沢があり,前胸と上翅が黄色く縁どられる。日本全土,台湾,朝鮮,中国に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

ゲンゴロウ

ゲンゴロウ科の甲虫の1種。体長38mm内外,背面は緑黒色で黄褐色縁取りがある。日本全土,朝鮮,中国,台湾に分布。幼虫,成虫ともに池沼水田などの水中にすみ,小昆虫やオタマジャクシ,動物の屍肉(しにく)などを食べる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲンゴロウ
げんごろう / 竜蝨
[学]Cybister japonicus

昆虫綱甲虫目ゲンゴロウ科に属する昆虫。日本各地のほか朝鮮半島、台湾、中国、東シベリアに分布し、池沼、水田などにすむ。体長35~40ミリメートル。前方の狭まった卵形で背面はすこし膨らみ、黒色で鈍い緑色光沢を帯び、雌は背面に細かいしわをもつ。前胸と上ばねの外縁は黄色、体下面と脚(あし)は大部分黄褐色。日本最大の種で、以前は長野県などで食用にしたほど多く、水田地帯の誘ガ灯に集まったが、農薬によって激減した。年1世代、成虫で越冬する。幼虫は細長く、湾曲した鋭い大あごをもち、成虫とともに食肉性、養魚場の稚魚などを襲う。
 ゲンゴロウ科predaceous diving beetles/Dytiscidaeは、世界各地に分布し、およそ3000種が知られ、日本産はおよそ100種ある。体長1~40ミリメートル。普通、卵形か楕円(だえん)形であるが、小さい種には円形のものもある。背腹面とも多少膨れ、触角は細糸状。後脚(こうきゃく)は平たくて内縁に長い刺毛(しもう)を備え、泳ぎに適している。大・中形種の雄では前脚(ふせつ)が丸く広がり、下面に小吸盤を備える。幼虫は細長くて前後が細まるか、または紡錘形で、尾端の呼吸管を水面に出し呼吸する。成虫は上ばねと腹部の間に空気を蓄え、ときどき水面にきて空気をかえる。成虫、幼虫とも肉食で、鋭い大あごから消化液を出し、食いついた獲物を消化し吸収する。大形のものは魚やカエル、オタマジャクシなど、中形種でも地方により稚魚に被害を与える。
 日本産は4亜科に分けられ、ケシゲンゴロウ類にはケシゲンゴロウ属Hyphydrus、チビゲンゴロウ属Bidessusなど、ツブゲンゴロウ類はツブゲンゴロウ属Laccophilusなどの小形種、ヒメゲンゴロウ類にはヒメゲンゴロウ属Rhantus、マメゲンゴロウ属Gaurodytesなど中形の種を含んでおり、ゲンゴロウ類にはハイイロゲンゴロウ属Eretes、シマゲンゴロウ属Hydaticusなど中形種とゲンゴロウ属Cybister、ゲンゴロウダマシ属Dytiscusの大形種が属している。別にコツブゲンゴロウ属Noterusなどは腹面が平たく、別科(コツブゲンゴロウ科Noteridae)とされる。[中根猛彦]

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