コカイン(英語表記)cocaine

翻訳|cocaine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コカイン
cocaine

南アメリカのアンデス原産のコカノキ科のコカノキをはじめ,同属の植物各種の葉に含まれている結晶性のアルカロイド。おもに局所麻酔に用いられる。常用すると中毒症状を起しやすく,麻薬及び向精神薬取締法の対象となっている。モルヒネ中毒に比べて,散瞳や幻覚など特殊な知覚異常が認められている。南アメリカインディオは傷にコカノキの葉をかんで塗ると痛みが軽減することを古くから知っていた。

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百科事典マイペディアの解説

コカイン

化学式はC17H21O4N。 コカノキの葉に含まれるアルカロイド。ふつう塩酸塩(無色結晶または白色の結晶性粉末で苦味,舌を麻痺(まひ))として用いる。中枢神経興奮作用があり反射機構の促進,血圧上昇,筋肉の疲労感の一時的遮断(しゃだん)などの効がある。また重要な局所麻酔薬の一つとして表面麻酔に塩酸エピレナミンと併用される。習慣性による中毒症状を起こすので麻薬に指定されている。劇薬
→関連項目クラック興奮薬手術麻薬薬物依存症

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世界大百科事典 第2版の解説

コカイン【cocaine】

コカをはじめ南アメリカ産のコカノキ科コカ属植物各種の葉から抽出されるアルカロイドで,メチルベンゾイルエクゴニンという化合物。化学的合成も可能である。塩化物の塩酸コカインは無色ないし白色の結晶または結晶状粉末で,味は苦く,舌を麻痺させる。代表的な局所麻酔薬であり,南アメリカのインディオはコカ葉を傷に塗布すると痛みが軽減することを古くから知っていた。局所麻酔薬としては粘膜の麻酔に都合がよいので眼科や耳鼻科領域でよく用いられる(1~10%溶液)。

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大辞林 第三版の解説

コカイン【cocaine】

コカノキの葉から抽出したアルカロイド。無色無臭の柱状結晶。粘膜の麻酔に効力があり、局所麻酔薬として用いる。習慣性が強く慢性中毒を起こすので、麻薬及び向精神薬取締法の対象になっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コカイン
こかいん
cocaine

南アメリカのペルーおよびボリビア原産のコカノキの葉に含まれるアルカロイド。コカイン塩酸塩として局所麻酔の目的で使用される。無色の結晶または白色の結晶性粉末で、においはない。主として眼科、耳鼻咽喉(いんこう)科で表面麻酔に用いる。毒性が強く習慣性となりやすいため、麻薬に指定されている。大量使用による急性中毒では、めまい、顔面蒼白(がんめんそうはく)、散瞳(さんどう)などに始まり酩酊(めいてい)状態に陥り、精神錯乱、幻覚、幻聴、失神などがみられ、呼吸困難や虚脱をおこして死亡する。現在ではリドカインなどの合成局所麻酔剤が繁用され、コカインはこの目的ではあまり用いられなくなった。また、乱用薬物として問題となっている「クラック」は、コカインを少し加工してコカイン塩基とした不純物の多いものである。粒、粉末、塊状などさまざまな形態があり、吸煙で使用される。[幸保文治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

コカイン

〘名〙 (Kokain cocaine) コカ葉の主成分で、アルカロイドの一つ。麻薬の一種。局所麻酔剤として用いられる。大脳皮質に対する興奮作用があり、発揚状態となる。連用すると耽溺性が表われるので麻薬とされる。散瞳剤として使用される。
※南小泉村(1907‐09)〈真山青果〉七「コカインを点(さ)して、銀水を点じて、それを食塩水で洗ひ落す」

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世界大百科事典内のコカインの言及

【局所麻酔薬】より

…ペルーのインディオは,2000年も前からコカ葉を嗜好品として用いていたが,これを外傷に使用すると痛みが緩和されることも知っていた。コカ葉の成分がコカインであり,これは現在でも代表的な局所麻酔薬である。知覚神経の末端が痛みを刺激としてとらえると,これは信号として神経繊維上を中枢へ伝えられる(求心性神経)。…

【麻薬】より

…しかし,全身麻酔薬とはまったく別のものである。 一方,行政的,法律的には,薬理学的規定とは若干異なり,国際的には〈1961年の麻薬に関する単一条約〉に規定されている薬物をいい,上記の薬理学的麻薬のほか,コカイン,大麻およびその抽出成分が含まれる。日本では,麻薬取締法,あへん法によって規制されている薬物を狭義の麻薬とし,さらに大麻取締法によって規制された薬物を含めて,広義の麻薬としている。…

※「コカイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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