局所麻酔剤として開発されたが、その後各種疾患に伴う不整脈の治療にも用いられるようになった。塩酸リドカイン注射液として脊椎(せきつい)麻酔、硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔に用いられ、また1~2%液として表面麻酔に塗布または噴霧する。歯科用には塩酸エピネフリンを配合した2%注射液がよく用いられる。外傷、熱傷、刺傷、凍傷、痔疾(じしつ)の疼痛(とうつう)には5%軟膏(なんこう)が用いられる。なお、不整脈には点滴静脈注射で使用される。リドカインは白色ないし微黄色の結晶または結晶性粉末で、わずかに特異臭があり、味はわずかに苦く、舌を麻痺(まひ)する。劇薬で、極量1回0.2グラム(硬膜外・伝達・浸潤麻酔)および1回毎分4ミリグラム(点滴静注)。
[幸保文治]
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2-(diethylamino)-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide.C14H22N2O(234.34).リグノカインともいう.2,6-ジメチルアニリンにモノクロロ酢酸クロリド,ジエチルアミンを順次縮合させて合成する.融点68~69 ℃,沸点159~160 ℃(266 Pa).水に不溶,エタノールに可溶.表面麻酔および脊椎麻酔作用があり,プロカインの数倍の強さを示す.塩酸塩(融点127~129 ℃)は作用発現が迅速で持続時間も長いことから,注射用局所麻酔に使用される.LD50 292 mg/kg(マウス,経口).[CAS 137-58-6]
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…局所麻酔の作用は可逆性であり,毒性が低く,全身性にも副作用がないことが条件である。現在用いられている局所麻酔薬はエステル型(プロカイン),アミド型(リドカイン)がある。局所麻酔薬が麻酔作用を起こす本態については諸説があるが,神経細胞の物理化学的変化によるといわれている。…
…コカインは天然由来のすぐれた局所麻酔薬であるが毒性も強いので,数多くの合成局所麻酔薬(コカイン代用薬ともいう)が作られている。プロカイン,テトラカイン,リドカイン,ジブカイン,アミノ安息香酸エチルなどである。これらの効力や毒性はそれぞれ異なるが,いずれも完全なものとはいいがたい。…
※「リドカイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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