コフカ
こふか
Kurt Koffka
(1886―1941)
ドイツの心理学者。ゲシュタルト心理学派の代表者の一人。ベルリンの生まれ。ベルリン大学のシュトゥンプの弟子。ゲシュタルト心理学の出発点となったウェルトハイマーの運動視の研究には、ケーラーとともに被験者としても協力した。初期の著書に『心的発達の基礎・児童心理学入門』(1921)がある。1924年アメリカに渡りスミス・カレッジの教授となる。早くからアメリカの心理学者にゲシュタルト心理学を紹介する努力をした。『ゲシュタルト心理学の原理』(1935)はゲシュタルト心理学を体系的総合的に解説した英文の本であり、とくに、ドイツ語圏の学問を英語圏に紹介した点で大きな貢献をした。
[宇津木保]
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コフカ
Koffka, Kurt
[生]1886.3.18. ベルリン
[没]1941.11.22. マサチューセッツ,ノーサンプトン
ドイツの心理学者。ギーセン大学私講師を経て,ユダヤ系のためナチスの迫害を受け渡米(1924),コーネル,ウィスコンシン両大学の客員教授を経て,スミス・カレッジ教授。ゲシュタルト心理学の創始者の一人。視知覚に関する多くの重要な業績を残し,特にアメリカの心理学者に対するゲシュタルト理論の紹介に貢献。主著『児童の心的発達の基礎』Die Grundlagen der psychischen Entwicklung des Kindes(1921),『ゲシュタルト心理学の原理』Principles of Gestalt Psychology(1935)。
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コフカ
ドイツの心理学者。ウェルトハイマー,ケーラーらとともに,ゲシュタルト心理学の創始者の一人。ギーセン大学教授(1918年―1924年)。1924年渡米してスミス大学教授となり,没年まで奉職した。主著は《ゲシュタルト心理学原理》(1935年)。
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コフカ
(Kurt Koffka
クルト━) ドイツの心理学者。ゲシュタルト心理学の提唱者の一人。思考、知覚、学習、精神発達などを研究し、多くの業績をあげる。一九二四年アメリカに移住。主著「ゲシュタルト心理学の原理」。(
一八八六‐一九四一)
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コフカ【Kurt Koffka】
1886‐1941
ドイツの心理学者で,ゲシュタルト心理学の創始者の一人。1908年ベルリン大学で学位を得,10年フランクフルト大学シューマン研究室の助手となり,同じく助手であったW.ケーラーと知り合い,一緒にウェルトハイマーの知覚実験の被験者となった。以後,3人でゲシュタルト心理学の確立と普及に努めた。コフカは知覚のみならず,学習や記憶,発達,社会心理など心理学のほとんどすべての研究領域にわたってゲシュタルト心理学の立場から考察を試み,ゲシュタルト理論の体系化を行った理論家でもあった。
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世界大百科事典内のコフカの言及
【環境】より
…認知環境や行動環境について論じる際に注意すべきことは,それらが主体側の内的イメージを意味する認知環境像,行動環境像であるのか,それともそれらに対応する外的存在をさす認知環境,行動環境であるのか,はっきりさせることである。この環境像と実質環境とのくいちがいに着目して,その研究意義を指摘したのが心理学者のK.コフカである。彼はスイスに伝わる有名な中世伝承を引用して,彼のいわゆる行動環境(行動環境像)と地理的環境(実質的行動環境)との間のくいちがいが生じる問題の重要性について注意を喚起した。…
【ゲシュタルト心理学】より
…1912年,ウェルトハイマーは仮現運動に関する実験的研究を発表したが,これがゲシュタルト心理学の誕生であった。ウェルトハイマーと,彼の実験の被験者となったケーラーとコフカの3人が,以後,当時の構成主義心理学に対して反駁(はんばく)を行い,この新しい心理学を樹立した。その主張の第1は,心理現象が要素の機械的結合から成るという〈無意味な加算的総和〉の否定である。…
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