ドイツの心理学者。ゲシュタルト心理学派の代表者の一人。ベルリンの生まれ。ベルリン大学のシュトゥンプの弟子。ゲシュタルト心理学の出発点となったウェルトハイマーの運動視の研究には、ケーラーとともに被験者としても協力した。初期の著書に『心的発達の基礎・児童心理学入門』(1921)がある。1924年アメリカに渡りスミス・カレッジの教授となる。早くからアメリカの心理学者にゲシュタルト心理学を紹介する努力をした。『ゲシュタルト心理学の原理』(1935)はゲシュタルト心理学を体系的総合的に解説した英文の本であり、とくに、ドイツ語圏の学問を英語圏に紹介した点で大きな貢献をした。
[宇津木保]
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…認知環境や行動環境について論じる際に注意すべきことは,それらが主体側の内的イメージを意味する認知環境像,行動環境像であるのか,それともそれらに対応する外的存在をさす認知環境,行動環境であるのか,はっきりさせることである。この環境像と実質環境とのくいちがいに着目して,その研究意義を指摘したのが心理学者のK.コフカである。彼はスイスに伝わる有名な中世伝承を引用して,彼のいわゆる行動環境(行動環境像)と地理的環境(実質的行動環境)との間のくいちがいが生じる問題の重要性について注意を喚起した。…
…1912年,ウェルトハイマーは仮現運動に関する実験的研究を発表したが,これがゲシュタルト心理学の誕生であった。ウェルトハイマーと,彼の実験の被験者となったケーラーとコフカの3人が,以後,当時の構成主義心理学に対して反駁(はんばく)を行い,この新しい心理学を樹立した。その主張の第1は,心理現象が要素の機械的結合から成るという〈無意味な加算的総和〉の否定である。…
※「コフカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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