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コンピュータ犯罪 コンピュータはんざいcomputer crime

翻訳|computer crime

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コンピュータ犯罪
コンピュータはんざい
computer crime

不法な目的のためにコンピュータ,あるいはコンピュータ・ネットワークを利用した犯罪。より広い対象をさす概念としてサイバー犯罪がある。(1) コンピュータや電磁的記録を不正操作することによる犯罪,(2) ネットワークを利用した商行為などでの犯罪,(3) ネットワークを通じてコンピュータに不正にアクセスする犯罪,に大きく分けられる。(1)は,たとえば銀行の端末を不正使用して他人の口座から自分の口座に預金を移す,あるいはコンピュータの記憶装置にあるホームページのファイルを無断で書き換えるといった犯罪で,それぞれ刑法電子計算機使用詐欺罪(246条),電子計算機損壊等業務妨害罪(234条)に規定される。(2)はインターネットオークションに麻薬など違法な物品を出品するなどの犯罪で,それぞれ該当する法律で取り締まられる。(3)はインターネットなどを通じて他人のユーザーID,パスワードを無断使用してコンピュータにログインしたり,コンピュータウイルスを仕掛けてサーバにアクセスしたりする行為で,不正アクセス行為の禁止等に関する法律不正アクセス禁止法)によって規制される。コンピュータ犯罪の特徴としては,実際の人と人との接触がないため犯人の匿名性が高いこと,時間的・空間的制約がないこと,不特定多数の人に被害を及ぼす可能性があることなどがある。このようなコンピュータ犯罪に対処するため,1987年の刑法一部改正により,(1)の行為に対する電磁的記録不正作出罪,電子計算機損壊等業務妨害罪,電子計算機使用詐欺罪,電磁的記録毀棄罪などの処罰規定が導入され,さらに 2000年には不正アクセス禁止法が施行された。警察庁や各都道府県警ではサイバー犯罪担当の部署を構えている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コンピュータ犯罪
こんぴゅーたはんざい

第二次産業革命とさえいわれるように、コンピュータの目覚ましい開発や普及に伴って、企業や官庁など各分野における事務処理は大きく変化しており、かつては情報処理が人の手によって行われていたものが、今日ではコンピュータが決定的に重要な役割を果たすに至っている。こうした情報化社会の進展に伴って、コンピュータを悪用または阻害するさまざまな行為が出現し、これらがもたらす社会的な影響も大きい。そこで、アメリカ、ドイツなどの先進国では、コンピュータにかかわる特有の反社会的行為に対処するため、コンピュータ犯罪を処罰対象として新設するに至った。
 ところで、コンピュータを悪用または阻害する行為のうち、その多くは従来の犯罪類型によって処罰できる。たとえば、事務処理のためのコンピュータや磁気ディスクを物理的に破壊すれば器物損壊罪(刑法261条)にあたるし、コンピュータを悪用して金品など「財物」を取得する場合は、窃盗罪(同法235条)や横領罪(同法252条または253条)に該当する。しかし、従来の刑法はコンピュータによって自動的に情報が処理されることを予想していないため、従来の刑法では対応できなかったり、不十分である場合がみられる。そこで、日本でも、1987年(昭和62)の刑法一部改正において、「電磁的記録」に関する定義規定を設けるとともに、電磁的記録不正作出・供用罪(同法161条の2)、電子計算機損壊等業務妨害罪(同法234条の2)、電子計算機使用詐欺罪(同法246条の2)、電磁的記録毀棄(きき)罪(同法258条・259条)などの罪が新設された。さらに2000年(平成12)、不正アクセス禁止法が施行された。[名和鐵郎]
 犯罪例としては、違法な物品や海賊版ソフトウェアなどのインターネットでの販売、メール・電子掲示板・ブログなどでの脅迫・中傷・名誉毀損(きそん)、メール爆弾(特定のメールアドレスに大量あるいは大容量の電子メールを送ること)、クレジットカード番号の盗用、ワンクリック詐欺・フィッシング詐欺、スパイウェアなどを使った個人情報の不正入手、ネットワークを介してシステムに侵入する不正アクセス、ウィルスなどによるコンピュータ破壊などがあり、今後とも増加することが懸念されている。[編集部]
『日本弁護士連合会・刑法改正対策委員会編『コンピュータ犯罪と現代刑法』(1990・三省堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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