コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

横領罪 おうりょうざい Unterschlagung

6件 の用語解説(横領罪の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

横領罪
おうりょうざい
Unterschlagung

自己の占有する他人の物,または公務所から保管を命じられた自己の物を不法に領得する罪。狭義の横領すなわち委託物横領 (刑法 252) のほかに業務上横領 (253条) ,遺失物横領 (254条) がある。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

おうりょう‐ざい〔ワウリヤウ‐〕【横領罪】

他人から預かっている物などを、勝手に自分の物としたり売却・処分したりする罪。自分の物であっても、税務署などに差し押さえられつつ、当面の保管・使用を認められた物を処分した場合はこの罪にあたる。刑法第252条が禁じ、5年以下の懲役に処せられる。単純横領罪

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

横領罪【おうりょうざい】

自己の占有する他人の物,または公務所から保管を命じられた自己の物を不法に領得する罪(刑法252〜255条)。委託物横領(5年以下の懲役),業務上横領(10年以下の懲役),遺失物横領(1年以下の懲役または10万円以下の罰金または科料)に分かれる
→関連項目企業犯罪窃盗罪背任罪

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

おうりょうざい【横領罪】

刑法典には〈横領の罪〉として三つのものが規定されている。第1は単純横領罪で,自己の占有する他人の物,または公務所から保管を命ぜられた自己の物(差押えを受けて保管を命ぜられたものなど)を横領する場合(252条。刑は5年以下の懲役),第2は業務上横領罪で,業務上自己の占有する他人の物を横領する場合(253条。刑は10年以下の懲役),第3は占有離脱物横領罪で,遺失物・漂流物その他占有を離れた他人の物を横領する場合(254条。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

おうりょうざい【横領罪】

委託などにより占有している他人の物、自分の物でも公務所から保管を命じられた物、遺失物・漂流物などを、その権利がないのに自分の物のように利用・処分することにより成立する罪。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

横領罪
おうりょうざい

狭義には、自己の占有する他人の物を領得する罪をいう(刑法252条)。刑法第2編第38章は、「横領の罪」として、横領罪(252条)、業務上横領罪(253条)のほか、遺失物等横領罪(254条)を規定しており、広義には、これらすべてを横領罪という。本項で単に「横領罪」とした場合は、狭義の横領罪(単純横領罪)をさす。横領の罪は、物の占有が委託関係(後述)を前提とするか否かによって、学問上、委託物横領罪と占有離脱物横領罪とが区別される。横領罪と業務上横領罪が前者に属し、遺失物等横領罪は後者に属する。
 横領罪は、「自己の占有する他人の物を横領」する罪である(刑法252条1項)。また、業務上横領罪は、「業務上自己の占有する他人の物を横領」する場合である(同法253条。「業務」とは反覆または継続して行われる活動であり、必ずしも仕事上や職業上のものに限らない)。これに対して、遺失物等横領罪は、占有離脱物横領罪とよばれるように、「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物」を領得する罪である(その客体には、遺失物、漂流物のように何人(なんぴと)の占有にも属さない場合のほか、他人の物を誤って占有した場合や他人から誤って手渡された場合が含まれる。遺失物法2条参照)。[名和鐵郎]

横領罪の要件

横領の罪は、日本の刑法では委託物横領罪が基本とされ、その典型が横領罪である。そこで、以下、横領罪について検討する(なお、業務上横領罪も委託物横領罪であるから、以下の説明は共通する)。本罪の客観的要件としては、自己の占有する他人の物、委託関係、横領行為があり、主観的要件としては、判例・多数説によれば、横領の故意のほか、不法領得の意思を要する。
(1)本罪の客体 その客体は「自己の占有する他人の物」である。ただ、「自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合」(債務不履行や税滞納によって強制執行や滞納処分として所有物を差押さえられえたが、債務者や滞納者がこれを保管している場合がこれにあたる。民事執行法123条、国税徴収法60条、61条参照)はこれと同様に扱われる(刑法252条2項)。本罪にいう「物」には動産と不動産が含まれ、その所有と占有はだれに属するかが問題となる。
 この点につき、物の売買における所有権は、契約成立または代金支払いによって売主から買主に移転するから、そののち、引渡し前に、売主が当該目的物を第三者に売却(二重売買)する場合、目的物は「自己の占有する他人の物」に該当し、本罪が成立する。また、株式の売買において売主が債券の担保として代金完済まで所有権を留保している場合には、買主がこれを勝手に処分すれば本罪に該当しうる。これに対して、金銭については、その特殊性から所有と占有とは一体的であるから、金銭(価値)の保管を委ねられた者がこれを領得しても、返還の意思や能力があれば、一般的には本罪は成立しない。しかし、使途目的が特定された金銭や封金(封筒などに入れて封をした金銭)は特定物であるから、これを領得すれば本罪にあたる。
 横領罪の占有には事実上の占有(物を現実に支配していること)のほか、法律上の占有も含まれる。このうち、法律上の占有とは物に対する法的処分権を有する場合であるから、たとえば会社の経理担当者が会社名義の預金通帳やキャッシュカードを業務上保管・管理する場合、会社の印鑑や暗証番号を悪用して預金を引き出せば、会社に対する窃盗罪ではなく、横領罪が成立する(この場合は業務上横領罪にあたる)。
(2)委託関係 横領罪は、物の占有につき委託者と受託者との間に委託(信任)関係が存在することを前提として、これに違背して財産的損害を与えることを内容とする。このような委託関係の発生原因は、法令や契約による場合が一般的であるが、慣習や条理に基づく場合も含まれる。
(3)横領の意義 この点につき領得行為説と越権行為説とが大きく対立する。領得行為説によれば、不法領得の意思を要すると解する立場から、横領とは「不法領得の意思」を実現(発現)するすべての行為と解される。ここに「不法領得の意思」とは、委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思である。これに対して、越権行為説によれば、横領とは、受託者が、委託の趣旨に反して権限を逸脱する行為を行うことと解される。この点に関して、受託者が一時使用の目的や毀棄(きき)・隠匿の目的で財物を処分した場合、一般的に、前説では不法領得の意思がないとして本罪を否定し、後説では権限を逸脱する場合に本罪が成立するものと解される。ただ、いずれの説によっても、横領行為には、売却、交換、贈与、質入れなどの法律上の処分のほか、消費、着服、返還拒絶、損壊などの事実上の処分も含まれる。[名和鐵郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

横領罪の関連キーワード改定律例刑法特別刑法三つ巴三つの朝三つの友三つの道三つ輪無実の罪三つの眼

今日のキーワード

大統領補佐官

各種政策の立案その他に関し,側近として大統領に助言する役職だが,実質上はブレーン,顧問として多面的な役割を担う。憲法で定められた唯一の行政責任者である合衆国大統領は,強大な権力を持つにもかかわらず,議...

続きを読む

コトバンク for iPhone

横領罪の関連情報