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ゴシック小説 ゴシックしょうせつ Gothic novel

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゴシック小説
ゴシックしょうせつ
Gothic novel

ゴシックとはもともと中世建築の様式を表わすのに用いられた用語であるが,文学ではゴシックの城や僧院からイメージされ,18世紀後半のロマン主義前期にイギリスで流行した中世風の怪奇恐怖小説の一群をいう。

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デジタル大辞泉の解説

ゴシック‐しょうせつ〔‐セウセツ〕【ゴシック小説】

18世紀後半から19世紀初頭にかけて英国で流行した一群の小説。ゴシック風の古城・寺院などを舞台に、超自然的な怪奇を描いた恐怖小説。

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大辞林 第三版の解説

ゴシックしょうせつ【ゴシック小説】

一八世紀後半から一九世紀初頭にかけてイギリスで流行した小説。中世のゴシック建築の古城などを背景とし、殺人・幽霊・分身などの怪奇・超自然を主題とする。ウォルポール・ラドクリフなどが代表作家。恐怖小説。ゴシック-ロマン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴシック小説
ごしっくしょうせつ
Gothic novel

イギリスの18世紀後半から19世紀初めにかけて流行した一群の小説。恐怖小説ともいう。中世のゴシック風の屋敷、城、寺院、修道院などを背景に超自然的怪奇性を主題とする。人物、道具立てに一定の型があり、たとえば、迫害されて長年の間監禁された女性に、圧制的な夫や叔父などが配される。屋敷や財産がその間強奪されて正統な相続人が苦難を味わう。舞台はイタリアフランススペインドイツなどで、迫害の一手段として宗教裁判が用いられることもある。古めかしい道具立てながら、当時の新しい美意識、政治感覚によって支えられた。創始者はホレス・ウォルポールで、『オトラントの城』(1764)はこの種の小説の原型をなす。以後、クレアラ・リーブClara Reeve(1729―1807)の『老イギリス男爵』(1777)を経て、1790年代に絶頂期を迎える。この時期を代表する女流作家アン・ラドクリフで、その代表作『ユードルフォの怪奇』(1794)、『イタリア人』(1797)は広範な読者を得た。これらの作品にはいずれも迫害される女主人公が登場し、S・リチャードソンに始まる小説の系譜に属する。フランス革命に共鳴したウィリアムゴドウィンの『ケイレブ・ウィリアムズ』(1794)も迫害を受ける人物を扱い、ゴシック小説とみなされる。マシュー・グレゴリー・ルイスMattew Gregory Lewis(1775―1818)の『修道士』(1796)はドイツ文学の影響が強く、近親相姦(そうかん)、親殺しなどセンセーショナルな主題が扱われている。メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(1818)やチャールズ・マチューリンCharles Robert Maturin(1782―1824)の『放浪者メルモス』(1820)など後期ゴシック小説は作者の分身的人物の創造を特色とし、作家の目は人間心理の内奥に向けられている。初期アメリカ小説は、E・A・ポー、N・ホーソンらをはじめゴシック小説と密接な関係にある。[榎本 太]
『小池滋他編『ゴシック叢書30 城と眩暈――ゴシックを読む』(1982・国書刊行会)』

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