サザンアルプス(その他表記)Southern Alps

デジタル大辞泉 「サザンアルプス」の意味・読み・例文・類語

サザン‐アルプス(Southern Alps)

ニュージーランド南島の中央部から西部にかけて走る山脈。中央に主峰クック山が位置し、タスマン山、ハースト山などの標高3000メートルを超える高峰が連なる。タスマン氷河、マーチソン氷河フォックス氷河フランツジョセフ氷河などが東西両斜面に延びる。クック山を中心にアオラキクック山国立公園に指定され、1990年に南島の他の国立公園とともにテワヒポウナム南西ニュージーランド名称で世界遺産(自然遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サザンアルプス」の意味・わかりやすい解説

サザンアルプス
Southern Alps

ニュージーランドサウス島脊梁山脈。サウス島中央部を北東から南西に走り,北東にスペンサー山脈,南西にオタゴ高地が連なる。最高峰のクック山(3754m)をはじめ,3000m以上の高山 19を数える。山頂部にはタスマン氷河,フランツヨゼフ氷河などの氷河が発達。新第三紀末の造山運動で生じた隆起地塊群からなり,西側は急斜面,東側は緩傾斜をなす。偏西風に対する障壁となるため,山地は一般に多雨で,年降水量は 3000~5000mm。東斜面は西斜面に比較して一般に乾燥。東西交通の障害となっており,山脈越えの道路はアーサーズパス(アーサー峠)などわずかしかない。この山脈に発するワイタキ川,クルーサ川などの河川の包蔵水力は豊かで,大規模な水力発電地帯となった。氷食地形のカールや U字谷,山麓氷河湖など観光資源に恵まれる。一部はアーサーズパス国立公園アオラキ/クック山国立公園に指定。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サザンアルプス」の意味・わかりやすい解説

サザン・アルプス
さざんあるぷす
Southern Alps

ニュージーランド南島の中西部に位置する山脈。第三紀末以来のカイコウラKaikoura造山運動によって形成された褶曲(しゅうきょく)山脈が、その後、断層運動などで変動を受けたもので、地質はおもにグレワキgreywackeとよばれる硬砂岩で構成されている。中心部には最高峰クック山(3764メートル)をはじめ、タスマン山、アスピリン山など3000メートル級の高山が並び、周辺部でも1500メートル内外の高度がある。偏西風の影響で、年間3000ミリメートル以上の降水量があり、これが高山のために万年雪と氷河になる。西斜面ではフランツ・ジョセフ、フォックスなどの氷河が、標高200メートル付近まで下がり、東側では最大のタスマン氷河などが、標高700メートル付近まで下りている。周辺はカール、モレーン堆石(たいせき))、氷食湖などの氷河地形に富み、南西部ではフィヨルドランドの峡湾をつくっている。融水は発電に利用され、ニュージーランド最大の電源地帯となっている。

[浅黄谷剛寛]


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世界大百科事典(旧版)内のサザンアルプスの言及

【ニュージーランド】より

…【百々 佑利子】
【自然】

[地形,地質]
 環太平洋造山帯に属するニュージーランドでは,地形,地質が複雑で,山地,丘陵が大半を占める。南島のサザン・アルプスを中心とする脊梁山脈は,第三紀末から第四紀洪積世にかけて起こったカイコウラ造山運動によって形成されたもので,南島,北島にまたがり,南西~北東方向に走っている。南島では古生層,中生層の古い地質が広く分布し,西部や南部には変成岩が多い。…

※「サザンアルプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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