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サムニウム人 サムニウムじんSamnites

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サムニウム人
サムニウムじん
Samnites

古代イタリアのアペニン山脈南部にいたオスク語族。その住む地をサムニウムといった。農業を主としたが,未開,好戦的でしばしばローマと戦った。カラケニ,カウディニ,ヒルピニ,ペントリの4部族が連合をなし,それぞれの支配者はメディクスと呼ばれた。前 354年にローマと協定を結び境界を確定したが,前 343~290年3度にわたるサムニウム戦争を起した末ローマに敗れた。しかしその後も反抗的で,ポエニ戦争同盟市戦争でローマと対立した。 L.スラの強略によって多くのサムニウム人が殺害され,以後ローマ化した。

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百科事典マイペディアの解説

サムニウム人【サムニウムじん】

古代イタリアの民族。オスク語を使用。イタリア南部サムニウム地方を本拠とし,前5世紀以後ギリシア文化の影響を強く受けた。前343年―前290年,ローマと3回戦って敗れ(サムニウム戦争),次第にローマ化したが,同盟市戦争では反ローマ勢力の先頭に立った。

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世界大百科事典 第2版の解説

サムニウムじん【サムニウム人 Samnites】

イタリア南部のサムニウム地方を本拠として,オスク語を話した古代の種族。4部族が山岳地帯に住み,本来牧畜を営んでいたが,前5世紀カンパニア平原に侵入し,カプアやキュメを占領した。前4世紀以降ローマと衝突し,前3世紀初頭まで前後3回のサムニウム戦争を引き起こした。結局ローマに敗れ,その同盟国となった。同盟市戦争ではローマに対し頑強に戦い,生存者は市民としてローマに吸収された。【平田 隆一】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サムニウム人
さむにうむじん
Samnites

古代イタリアで、中部イタリアに住んだイタリア人の一派。オスキ語を使用し、勇猛さで知られた山岳民族で、ローマと覇権を争った。山地から肥沃(ひよく)な平地を目ざして移動し、ギリシア文化に触れた。彼らのなかからカンパニア人、ルカニア人が派生する。カンパニアにおけるエトルリア人の勢力の退潮とともに強力となり、カンパニアを制圧した。国家的結合は緩かったが、四つの部族国家に分かれ、それぞれメディクス(政務官)が統治し、戦時には一致して事にあたった。紀元前4世紀中ごろのガリア人のイタリア侵入に際してローマと結んだが、その後ローマと敵対し、3回のサムニウム戦争(前343~341、前326~304、前298~291)のすえ、ローマの覇権が確立する。戦中・戦後の彼らの土地へのローマの植民地建設も目覚ましく、しだいに政治的発言権も失われてゆく。二、三の例外はあるが、第二ポエニ戦争(前218~前201)から同盟市戦争(前91~前88)に至るまでほぼローマに忠実であったが、たび重なる戦争のためその土地は荒廃し、同盟市戦争で敗れたのち完全にローマに繰り入れられた。[長谷川博隆]

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世界大百科事典内のサムニウム人の言及

【サベリ人】より

…古代イタリアの種族名。狭義ではサムニウム人またはサビニ人の別称。広義ではこれらの種族をも含むオスキ人の総称で,この場合イタリック語を話す諸種族はオスク・ウンブリア人ではなく,ウンブリア・サベリ人と称される。…

【ローマ】より

…その平定の仕方は,ラテン諸都市に,ローマの民会で投票権を行使しうる完全なローマ市民権を与え,非ラテン系の諸市には,投票権は欠くが,ローマ人と対等の通婚・通商権をもつ不完全なローマ市民権を与え,その他の都市を同盟市とするというもので,こうした等級づけられた市民権の付与と同盟関係の網の目による統合は,後の〈帝国〉の支配構造の原型をなすものであった。 ラティウムの平定後まもなく,前326年より前275年まで数次にわたって南東の山地種族サムニテス(サムニウム人)と激しく戦い,北東部のピケネス族,マルシ族,ウンブリアの諸都市と同盟を結んだ。サムニテスの服属後,南部に進出し,タレントゥムと戦い,後者の救援に遠征してきたエペイロス王ピュロスを敗退させた(前275)。…

※「サムニウム人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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