ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンガロ」の意味・わかりやすい解説
サンガロ
Sangallo, Francesco da
[没]1576. フィレンツェ
イタリアの彫刻家。建築家ジュリアーノ・ダ・サンガロの息子。通称イル・マルゴッタ。1504年ローマに出て,のちミケランジェロおよびアンドレア・サンソビーノに会い,深い影響を受ける。1529年までサンソビーノのもとで修業。1533年トリボロおよびラファエロ・ダ・モンテルーポとともにロレトのサンタカーサ聖堂(聖なる家聖堂)の装飾に参加。1540~46年ローマのサン・ピエトロ大聖堂の造営に装飾彫刻家として活動。フィレンツェの聖アヌンツィアータ聖堂のマルツィ=メディチ司教の墓(1546),モンテカッシーノのピエロ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチの墓(1547),フィレンツェのレオナルド・ボナフェーデの墓(1550),フィレンツェのサン・ロレンツォ聖堂にパオロ・ジョビオの墓(1550)を完成。
サンガロ
Sangallo, Antonio da
[没]1534. フィレンツェ
イタリアの建築家。アントニオ・ダ・サンガロ・イル・ベッキオとも呼ぶ。サンガロ一家の一人で,ジュリアーノ (1445~1516) の弟,アントニオ (ピッコーニ) の伯父。代表作はモンテプルチアーノにあるサン・ビアジオ聖堂 (18~29) で,D.ブラマンテのサン・ピエトロ大聖堂計画案の影響がみられる。このほか彼は同地のチェルビーニ家,コントゥッチ家,タルージ家などのパラッツォを設計。またチェーザレ・ボルジアのために建設した城塞チビタ・カステラーナ (1495以後) もよく知られている。
サンガロ
Sangallo, Giuliano da
[没]1516. フィレンツェ
イタリアの建築家。ブルネレスキやアルベルティの建築構想をさらに発展させることによってルネサンス建築の展開に新生面を開いた。彼の代表作サンタ・マリア・デレ・カルチェリ聖堂 (1485~91,プラト) は,イタリア・ルネサンス建築におけるギリシア十字形集中式平面の最初の作例の一つ。またロレンツォ・イル・マニフィコのために建てたビラ・レアーレ (83~85頃,ポッジオ・ア・カイアーノ) は,ルネサンスのその後のビラ建築の範となった。
サンガロ
Sangallo, Antonio Picconi da
[没]1546. テルニ
イタリアの建築家。アントニオ・ダ・サンガロ・イル・ジョーバネとも呼ぶ。サンガロ一家の一人で,ジュリアーノ・ダ・サンガロおよびアントニオ・ダ・サンガロの甥。ドナト・ブラマンテの弟子となり,主としてローマで活動。ラファエロ・サンツィオの後継者としてサン・ピエトロ大聖堂の造営監督を務めた(ただし工事は実際にはほとんど進展しなかった)。代表作はローマのパラッツォ・ファルネーゼ。
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