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サント・ブーブ Charles‐Augustin Sainte‐Beuve

世界大百科事典 第2版の解説

サント・ブーブ【Charles‐Augustin Sainte‐Beuve】

1804‐69
フランスの批評家。ブーローニュ・シュル・メールの生れ。ロマン派擁護の時評家として出発したが,他方で過剰な内省癖や自己喪失感に苦しむ世紀病的内面の表現をめざし,詩集《ジョゼフ・ドロルムの生涯と詩と意見》(1829)や小説《愛欲》(1834)を発表。しかし詩人・小説家たらんとする夢は,しだいに批評家としての自覚に席を譲ってゆく。1830年ごろから時評のほかに,伝記的方法による作家論を書き始め(《文学的肖像》《女性の肖像》など),37‐38年にスイスで行った公開講座にもとづく大著《ポール・ロアイヤルPort‐Royal》(1840‐59)では,17世紀にポール・ロアイヤル修道院に集まった隠士たちの内密な信仰生活を中心に,この修道院に関する全体をいわば1人の人物の肖像画のようにして描いた。

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世界大百科事典内のサント・ブーブの言及

【文芸批評】より

…最後に,批評対象の個別性の重視と対応して,批評家自身の個別性もまた重要視されるようになり,教養ある読み巧者つまり批評の豊かな兵器庫の所有者の巧みな語り口が求められるし,批評家の側についていえば,批評は個々の作家・作品の文学的価値を読者のために語る言説にとどまらず,批評家自身の知的・感性的冒険の間接的表白という性格すら帯び始めるであろう。 サント・ブーブが代表的な批評家であるのは,19世紀において文芸批評が制度として確立するとともに示したさまざまな性格を,彼が一身に集め担ったからである。大学の公開講座でポール・ロアイヤル修道院の歴史の全体を説き明かす彼は,他方では孜々(しし)として多様な書物を読み,文壇生活者として文壇の現場の劇を観察しながら,20年間にわたり休みなく毎週1回の《閑談》を書き続けた時評家である。…

【ロマン主義】より

… フランスにおけるロマン主義は,ルソー以来の前期ロマン主義の精神風土の上に,スタール夫人のドイツ文学理論の紹介《ドイツ論》や,ゲーテやバイロンの作品の翻訳の刺激を受けて,両国に比べやや遅れて始まったが,よりいっそう激しい華やかな展開を見せた。伝統的な古典主義を信奉する人々とロマン主義者たちとの間の文学論争や党派抗争の様相を呈し,1820年から30年にかけてユゴーとサント・ブーブを中心にロマン派が形成され,ロマン主義運動が展開された。この運動は,七月革命と軌を一にして1830年のユゴーの《エルナニ》上演によって勝利を収め,1843年の同じくユゴーの《城主》上演の不成功によって幕を閉じた。…

※「サント・ブーブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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