フランスの首都パリの市内を貫流するセーヌ川の川中島。シテ島の上流に位置し、パリの第4区に属する。ノートル・ダム大聖堂の背後でサン・ルイ・パッスレル(歩道橋)によってシテ島と、ポン・ルイ・フィリップ、ポン・マリの2橋によってセーヌ右岸と、ポン・ド・トゥールネル橋によって左岸と結ばれる。また島の東端をバスチーユからのアンリ4世通りの延長がポン・シュリ橋となって左右両岸を結んでいる。元来、一つの砂州として形成されたが、14世紀に堀割(現プルチエ通りの位置)で東西二つの小島に分離され、1609年プルチエらの投機家によって市街地開発の目的で一つの島として造成された。島内は街路が方格状に設けられ、17世紀に建設された建物の多い落ち着いた市街となっている。島の北東部にあるローザン館(1657建設)、ランベール(ルボー)館(1640建設)など有名な館(やかた)が多く、ほぼ中央にルボー設計のサン・ルイ・アン・リール教会(1664~1726建設)がある。
[高橋 正]
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