南部アフリカの大水系。本流の長さは2740km,全流域面積は133万km2で,アフリカではコンゴ,ナイル,ニジェールに次ぐ。ザンビア北西端,アンゴラ,コンゴ民主共和国(旧,ザイール)との国境付近に発し,多くの支流を集めながら,ザンビア西部をほぼ南に流れる。しだいに東に転じ,ジンバブウェとの国境となる部分では,北西から最大の支流カフエ川などの水を集める。この国境部分では,1855年リビングストンによって命名されたビクトリア滝や1959年に完成したカリバ・ダムが発電と観光で名高い。またカフエ水系沿岸はザンビアで最も人口の集中している地域で,本流との合流点から約80kmにあるバレングウェ峡谷部にも大ダムが建設されている。モザンビーク領に入り,東から南東へ向きを変え,マラウィ湖を排水するシーレ川などを合わせてインド洋に注ぐ。テテの北西80kmには1977年完成のカボラ・バッサ・ダムがあり,水力発電によるその電気は南アフリカ共和国に送電され,モザンビークの貴重な外貨源となっている。水位は一般に3~4月に最高,10~11月に最低を示す。流量は年による変動が小さくないが,カフエ川合流点で年平均473億m3(3月89億m3,10月8億m3)。コイ,ナマズの類が豊富で,流域住民のタンパク源として利用されている。
執筆者:戸谷 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アフリカ大陸南部を流れる大河。同大陸からインド洋に注ぐ最大の川である。全長2740キロメートル、流域面積133万平方キロメートルで、アフリカではコンゴ川、ナイル川、ニジェール川に次ぐ。ザンビアの北西端カレネ丘陵に源を発し、同国西部をルエナ川、ルンゲ・ブンゴ川、ルアンギンガ川などを合流して南流。ついで同国の南境となって流れ、ジンバブエ側からシャンガニ川、サニャーチ川、ザンビア側からカフエ川、ルアングワ川などを合流しながら東流する。この間にビクトリア滝やカリバ湖がある。モザンビークに入って南東流に転じ、沿岸部で三角州を形成して、ベイラの北東210キロメートル付近でモザンビーク海峡に注ぐ。流量の変化は大きくないが、3~4月に高水位、10~11月に低水位を示す。急流があるため内陸水路としての利用価値は少ないが、急流を利用して、ザンビアとジンバブエとの国境にカリバ・ダム、モザンビーク領内にカボラ・バッサ・ダムなど、大規模なダムと発電所が建設されている。この川の流域は1851~56年のリビングストンや1858~60年のカークの探検によって世に知られるようになった。
[堀 信行]
アフリカ南部の大河。全長2740km。ザンビア北西部近辺から南流,東に転じてザンビア‐ジンバブエの国境となり,モザンビークをへてインド洋に注ぐ。15~17世紀頃下流域の交易を基礎にモノモタパ王国が繁栄。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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