コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

シクロペンタジエン cyclopentadiene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シクロペンタジエン
cyclopentadiene

C5H6 で表わされる液体。沸点 41.5~42.0℃。石炭ガス軽油から見出された。二量体のジシクロペンタジエン C10H12 に変りやすい性質をもつ。二量体は融点 32.5℃の結晶。蒸留するとシクロペンタジエンに分解される。ジエン合成の試薬である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

シクロペンタジエン【cyclopentadiene】

環式不飽和炭化水素の一つ。石炭乾留時のガス軽油中に含まれ,また石油系ナフサ分解の炭素数5の留分にも含まれる。無色の液体で,独特の臭気があり,融点-85℃,沸点41℃。常温で放置すると容易に2分子が重合して,二量体であるジシクロペンタジエン(融点34℃)となる。この二量体を150℃以上に加熱すると再びもとのシクロペンタジエンが得られる。したがって通常は二量体の形で市販されている。シクロペンタジエンは反応性に富む。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シクロペンタジエン
しくろぺんたじえん
cyclopentadiene

環状ジエンの一つ。常温で無色の液体。独特の臭気をもつ。石炭乾留のガス軽油中に、またナフサ熱分解のC5留分中に含まれ、分留して得られる。工業的に多量生産されている炭化水素で、安価な工業原料である。反応性に富み、室温貯蔵中に2個の分子がディールス‐アルダー反応(ジエン合成)をおこし二量化してジシクロペンタジエンになる。二量体は無色の結晶(融点34℃)で、150℃以上に加熱すると、ふたたびシクロペンタジエンに分解する。通常、二量体で市販されるので、実験室では加熱分解して使用する()。
 シクロペンタジエンは1,3-共役ジエンなので各種の親ジエン剤とディールス‐アルダー反応を行う。反応性に富んだジエン剤として用いられるほか、工業的に農薬、殺虫剤、各種樹脂可塑剤の合成に使われる。塩基の作用で水素イオンが引き抜かれ、6個のπ(パイ)電子をもった平面構造を有するシクロペンタジエニル・アニオンを与える。これは芳香族性を有する代表的なアニオン種である。[向井利夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

シクロペンタジエンの関連キーワードシクロペンタジエン(データノート)ディールス=アルダー反応エチレン・プロピレンゴムジシクロペンタジエンシクロペンタジエニル有機金属化合物シクロペンタンノルボルナン共役二重結合フェロセンナフサ分解メタロセントロポロン

今日のキーワード

コペルニクス的転回

カントが自己の認識論上の立場を表わすのに用いた言葉。これまで,われわれの認識は対象に依拠すると考えられていたが,カントはこの考え方を逆転させて,対象の認識はわれわれの主観の構成によって初めて可能になる...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android