ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャルル5世」の意味・わかりやすい解説
シャルル5世
シャルルごせい
Charles V, le Sage
[没]1380.9.16. ボーテシュールマルヌ
フランス王 (在位 1364~80) 。「賢明王」とも呼ばれる。ポアティエの戦い (56) で父王ジャン2世が捕えられてイングランドに送られたため,即位まで摂政として,父王の莫大な身代金調達のための全国三部会の招集,大勅令の発布,É.マルセルの乱やジャックリーの乱などの難問に対処。イングランドとの間に結んだ屈辱的なブレティニー・カレーの和約 (60) を甘受したが,慎重で現実的な施策を積重ねて,政治を改革。徴税制を改革して国庫を充実し,常備軍制を確立した。将軍 B.デュ・ゲクランを重用してナバール (ナバラ) 王シャルル (邪悪王)の勢力を撃破し,当時災厄の種であった流亡傭兵隊を一掃した。また提督ジャン・ド・ビエンヌを用いて艦隊をつくった。治世末年までにはイングランド軍に占領された国土の大部分を奪回した。伯父にあたる神聖ローマ皇帝カルル4世のパリ訪問 (78) は,彼の国内統治の実績を示す確証であった。同時に学芸を愛好し,その書物収集は後世の国立図書館の端緒となった。
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