シュミーズ(その他表記)chemise

翻訳|chemise

デジタル大辞泉 「シュミーズ」の意味・読み・例文・類語

シュミーズ(〈フランス〉chemise)

婦人用の緩やかな下着。多く、袖なしで、ひもで肩からつり、胸からひざの辺りまでを覆う。シミーズ

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精選版 日本国語大辞典 「シュミーズ」の意味・読み・例文・類語

シュミーズ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] chemise )[ 異表記 ] シミーズ・シミズ 女性用の下着。多くひもで肩からつり、胸から腰までをおおう。
    1. [初出の実例]「其科程表左の如し〈略〉第二年後期〈略〉シミズ」(出典:風俗画報‐一七七号(1898)和洋裁縫女学院)
    2. 「上衣を脱ぎ、白く短き下衣(シュミーズ)一つになりて」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉夜あるき)

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改訂新版 世界大百科事典 「シュミーズ」の意味・わかりやすい解説

シュミーズ
chemise

肩からひもでつって胴部から大腿部をおおう女性用下着を指す。シミーズとも呼ばれ,最近では上の衣服を着やすくするために用いるスリップもシュミーズと呼ぶことが多い。語源は〈麻のシャツ〉を意味するラテン語のカミシアcamisiaに由来。英語では女性の下着のみを指し,フランス語では現在は男性用のワイシャツを指すが,古くは男女が着用する下着を指していた。中世初期にはシュミーズは表着(うわぎ)のコットと呼ばれるチュニックの下に着用され,フランスでは上等なものは白い上質の麻製であった。中世半ばにシェーンズchainseとも呼ばれる,足首にまで届く丈の長い,袖口のぴったりしたシュミーズが現れ,男女に着用された。庶民は粗末な羊毛製のものを防寒のために着用していた。中世を通じて,シュミーズの形は簡素なチュニックであったが,近世に入ると装飾が華やかになり,ししゅう,レース,ギャザーで飾られ,袖もゆったりしたものが現れた。16世紀から17世紀にかけては,衣服一面に切り込みを入れ,切り込みから白いシュミーズをのぞかせるスラッシュ裂け目装飾)が流行し,白い清潔なシュミーズが注目された。17世紀から18世紀にかけては,貴族服装に,ししゅう,フリル,レース飾りのついたシュミーズは不可欠であったが,イギリスでは,ヘンリー8世在位(1509-47)中は貴族に対して襞(ひだ)のある,金銀のししゅうのついた絹製のシュミーズの着用を禁じた。女性のシュミーズは,イギリスでは13世紀ころからスモックと呼ばれ,装飾性が強まり,17世紀ころには新年の贈物にも使われた。19世紀に,男性のシュミーズがワイシャツとなり,フロックコート,長ズボン,ベスト,ネクタイという服装様式が確立すると,ワイシャツの下に別の下着が着用されるようになった。20世紀に入ると,シュミーズは,直線状の輪郭をもつ簡単なものになり,袖なしや袖つき,肩ひもつきのものなどが現れた。
下着
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュミーズ」の意味・わかりやすい解説

シュミーズ
chemise

中世初頭から 19世紀末までの男女の上半身から腰部をおおう有袖のチュニック型の下着の一種。シュミーズの発生は,下着と上着とを兼ねた古代ギリシアのキトンにまでさかのぼる。 13世紀から 14世紀初期まで,シュミーズは肌に直接着けるスモックの上から重ね,その上にコルセットを着たという記録がみられる。またのちには男性用シュミーズをシャツ,女性用をスモックと呼んで区別し,女性の下着が簡略化された。以後数世紀間,シュミーズは姿を消したが,18世紀末,再びスモックに代る語として登場した。当時は飾りけのない単純なものであったが,19世紀なかばにはレースやフリル,リボンなどで装飾された。また 19世紀末にはシュミーズとドロワーズとを一続きにした,コンビネーションが流行した。その後下着の簡略化の傾向に伴って,シュミーズは省かれ,従来コルセットと上着との間のすべりをよくするために着たスリップが,汗取りの役目も兼ねるようになった。シュミーズの語はまた,このスリップと同義にも用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュミーズ」の意味・わかりやすい解説

シュミーズ
しゅみーず
chemise フランス語
chemise 英語

亜麻(あま)製の下着を意味するラテン語、カミシアcamisiaが語源。12、13世紀ごろのフランス語シェーンズchainseを経て、シュミーズに置き換わった。英語のシャツにあたる。本来、男女の肌着(胴部につける)全般をさしていうのであるが、英語に入った時点で、婦人用の長い胴着をとくにシュミーズといったため、日本でも男子用肌着をシャツ、婦人用のそれをシュミーズといって、英語式に区別するのが一般となった。16世紀から19世紀まで、男性のシュミーズ(シャツ)は上着からはみ出す部分、つまり首回り、袖口(そでぐち)、裾(すそ)が装飾的役割を果たしていたことが多く、レース、リボン、フリルなどで飾った華やかなものがみられた。これに対し女性用のシュミーズは、吸汗、保温など、実用本位の目的で使用されてきた。

[菅生ふさ代]

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百科事典マイペディア 「シュミーズ」の意味・わかりやすい解説

シュミーズ

女性用肌着の一種。シュミーズはフランス語で,英語ではシャツにあたる。古くは男女ともに用いた下着で,男性のシュミーズがワイシャツになった。日本女性の洋装化が進む中で,メリヤスやクレープで作られた〈シミーズ〉が用いられたが,現在はほとんどスリップにとってかわられている。

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