シュロ(読み)しゅろ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シュロ
しゅろ / 棕櫚
[学]Trachycarpus

ヤシ科シュロ属の総称。学名のTrachyはラテン語の凹凸、carpusは果実の意味。幹は単一で直立し、まれに分げつするものもある。高さは6~17メートル、径12~20センチメートル。幹肌には繊維化した褐色の葉鞘(ようしょう)網が長期間固着し、脱落後は波状の凸脈が残る。葉はほば円形の掌状葉で径45~80センチメートル。小葉裂片は内向きのV字状で、光沢のある緑色または半光沢の暗緑色である。葉柄は長さ0.6~1.2メートル、幅1.2センチメートル、両縁に微小なのこぎり状の歯があり、基部20センチメートルにわたり強靭(きょうじん)な繊維網がある。雌雄異株。肉穂花序は黄色で長さ55~60センチメートル、雌株には雌花と両性花が雑居し、雌花には長さ2~3ミリメートルの無精雄しべが6本ある。雄株には雄花があり、長さ2~3ミリメートルの雄しべが6本あり、花の中央に小さな不稔(ふねん)雌しべがある。果実は青黒色、楕円(だえん)形で長さ1~1.2センチメートル、厚さ6~9ミリメートル、中果皮は薄く、胚乳(はいにゅう)は片側に黒褐色の錯道質(侵食状黒条痕(こん))があり、胚はその背面にある。耐寒性はヤシ科中最強で、零下12℃でも越冬する。日本、中国、インド、ネパールに5種分布する。そのうち日本原産のワジュロT. excelsa Wendl.は小葉裂片端が垂れ下がるが、ほかは直線状の掌状葉である。ほかにトウジュロT. fortunei Wendl.や、T. martiana Wendl.、T. takil Becc.などがある。[佐竹利彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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