シリンダー

デジタル大辞泉 「シリンダー」の意味・読み・例文・類語

シリンダー(cylinder)

円筒。
内燃機関蒸気機関水力機関などの主要部分で、流体を密閉した円筒形の容器。中をピストンが往復運動する。気筒。
印刷機などの、回転する円筒形の部分。
コンピューターなどのハードディスクデータを記録する際の管理区分、または記録単位のこと。

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精選版 日本国語大辞典 「シリンダー」の意味・読み・例文・類語

シリンダー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cylinder )
  2. 円筒。
    1. [初出の実例]「円筒(シリンドル)帽を戴く高襟(ハイカラ)紳士では」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉労働問題)
  3. 内燃機関、蒸気機関、水力機関などで、ピストンが往復運動をする部分。気筒。
    1. [初出の実例]「蒸気機関の力は『シリンドル』の大小に由て強弱あり」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初)
  4. 油圧、水圧、空気圧などの動作端として用いる要素の一つ。円筒内に流体圧を受けるピストンを備えたもの。

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百科事典マイペディア 「シリンダー」の意味・わかりやすい解説

シリンダー

(1)内燃機関往復ポンプ空気圧縮機などの主要部分をなす中空円筒の部品。気筒とも。内部に流体を入れ,ピストンまたはプランジャーが往復運動してエネルギーの授受が行われる。内面の摩耗をさけるため耐摩耗性材料の薄肉円筒をはめることがあり,これをシリンダーライナーという。(2)円筒印章のこと。
→関連項目気化器空冷機関掃気大気圧機関ディーゼルエンジンデトネーション点火プラグ排気量油圧シリンダー油圧ブレーキ

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改訂新版 世界大百科事典 「シリンダー」の意味・わかりやすい解説

シリンダー
cylinder

古くは幾何学における円柱を意味したが,その後,円柱の外周である円筒面の意味合いが強くなり,一般に円筒面で構成される形状をもったものを指すようになった。液体の容積計量に使われるメスシリンダーはその例である。現在では機械部品として,ピストンと組み合わせてのシリンダー,すなわちピストンの往復運動の案内となる中空円筒をもった部分,あるいは部品を指すことが多く,一般の往復ピストン式内燃機関のシリンダーのほか,往復式圧縮機のもの,また油圧・水圧・空気圧機械における同様な部分が典型的である。

 往復式内燃機関の場合,シリンダーの日本語訳は気筒で,1個のシリンダーからなるものを単シリンダー機関,あるいは単気筒機関,単筒機関と呼ぶ。また多シリンダー機関において,そのシリンダーの配列の型式によって,直列型,V型,対向型,星型などと区別することもある。多シリンダー機関の場合,いくつかのシリンダー部分を一体に鋳造した構造とすることが多く,これをシリンダーブロックと呼ぶ。また,こうした構造物にじかに加工してピストンの案内しゅう動面を構成したのでは剛性や耐久性が不足する場合,シリンダーライナーという比較的薄肉の円筒を挿入して,その内面をしゅう動面とすることが多い。シリンダーの一端はピストン頂部とで燃焼室を形づくるが,主として製作の便宜からこの部分を別部品として,シリンダーにふたをした形にするのがふつうで,これをシリンダーカバー,あるいはシリンダーヘッドと呼ぶ。シリンダーに求められるのは,何よりも案内しゅう動面としての機能を維持することであり,その円筒形状の精度が高く,変形が少ないように設計,加工に特別な注意が必要であるほか,その摩耗,潤滑油の消費の観点からも,材料,加工,潤滑,冷却の各面に慎重な配慮が求められる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリンダー」の意味・わかりやすい解説

シリンダー
しりんだー
cylinder

内燃機関、蒸気機関、ポンプなどで、ピストンが中で往復運動する筒。気筒ともいう。往復動内燃機関ではシリンダー内で燃料と空気の混合気を燃焼させ高い圧力を得、往復動蒸気機関では高圧の蒸気をシリンダー内に吹き込み、ともに得た高圧でピストンを動かして出力を得る。ポンプでは外からピストンを動かし高圧を得る。そのために、ピストンが一つのときは、対面するようにシリンダーの一端を閉じる。ピストンを二つ用いるときは、二つのピストンを対面させ、ほぼ対称的に動くようにする。またピストンとシリンダーの間に漏れ止めのリングをつける。これをピストンリングpiston ringという。

 大きな出力を必要とするときは、多数のシリンダーを直列、V形、対向形、W形、星形のように並べ、互いの位相を調節し振動を抑える。シリンダーは耐熱・耐食性をもたせるために特殊鋳鉄などでつくり、高温になるときは外側を冷却する。

[吉田正武]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「シリンダー」の解説

シリンダー

ハードディスクの記憶領域の単位。ハードディスクは複数の円盤を重ねた構造になっており、各円盤と円盤の間に、データを読み取るための磁気ヘッドがある。複数のディスク盤面の同じ位置にある、トラックの集まりをシリンダーという。同じシリンダーのデータには、磁気ヘッドを動かすことなくアクセスできる。

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リフォーム用語集 「シリンダー」の解説

シリンダー

スプリングで押えられた円筒内の数本のタンブラーを、鍵で回転しながら押し上げることによって本締めボルトを開閉する形式の錠の事。開き戸に多く使用される。

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ダイビング用語集 「シリンダー」の解説

シリンダー

タンクの別名。日本ではボンベという単語が普及しているが、英語圏ではこちらがポピュラー。

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世界大百科事典(旧版)内のシリンダーの言及

【柱体】より

…平面上の図形Fの各点を一端として,一定の長さと方向をもった線分をこの平面の一方の側につくるとき,これらの線分によってできる図形を柱といい,Fを底,各線分を母線という(図)。各母線のもう一つの端点はFののっている平面と平行な一つの平面上にあって,Fと合同な図形F′を描くが,F′も底と呼ぶ。とくに立体となる柱を柱体という。柱体の底をふつう底面といい,二つの底面間の距離を高さという。柱体の体積は(底面の面積)×(高さ)で与えられる。…

【内燃機関】より

…内燃式は燃料と空気の混合物よりなる作動流体そのものを着火・燃焼させ,高温高圧の作動ガスを得る方式である。内燃式のうち作動流体を一定容積のシリンダー内で燃焼させ,ピストン・クランク機構(またはローター偏心軸機構)により膨張仕事を取り出すことを繰り返す方式を容積形といい,一方,作動流体を燃焼室内で連続的に燃焼させ,得られた高温・高圧の燃焼ガスを高速で回転羽根車にふきつけて仕事を取り出す方式を速度形という。いずれの方式も作動流体の冷却は,これを大気(低温熱源)へ放出することにより行っている。…

※「シリンダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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