スケルツォ(英語表記)scherzo

  • scherzoイタリア語
  • 〈イタリア〉scherzo
  • イタリア

翻訳|scherzo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

音楽用語。本来はイタリア語で冗談,気まぐれの。バロック時代には声楽,器楽両方の軽い作品に対して用いられた。古典派以後,ソナタシンフォニーにおいてメヌエットに代る楽章として用いられる急速な3拍子の曲をいう。それはメヌエット同様トリオをもっている。ハイドンは『四重奏曲』 op.33においてスケルツォを書いているが,それらは実質的にメヌエットと大差がない。ベートーベンの『交響曲第1番』におけるメヌエットは Allegro molto e vivaceと記され,もはやスケルツォの激しい性格をもっている。ロマン派の時代に入ってから,スケルツォは独立した器楽曲としても書かれるようになり,例としてショパンブラームスの『スケルツォ』があげられる。

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百科事典マイペディアの解説

音楽用語。イタリア語で諧謔(かいぎゃく)の意。ふざけた感じの声楽曲,器楽曲をさしたが,古典派以降,ことにベートーベンによって交響曲,ソナタ,弦楽四重奏曲などの速い3拍子の第3楽章を呼ぶようになった。これは従来のメヌエットに代わって,より快活な動きと新しいリズムをめざしたもの。ショパン,ブラームスらは独立した小曲にこの名を付している。→ソナタ
→関連項目交響曲トリオベートーベン

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世界大百科事典 第2版の解説

〈冗談〉〈諧謔〉を意味し,諧謔曲とも呼ばれる。(1)交響曲や弦楽四重奏曲の第3楽章(ときには第2楽章)に用いられ,急速なテンポ,3拍子,激しいリズム,気分の突然の変化などを特色とする。一般に3部分形式で書かれ,中間部はトリオである。この楽章の一形態としてのスケルツォは,ハイドンにおいてメヌエットの代りとして用いられ始め,ベートーベンでしばしば用いられるようになった。(2)ロマン派に好まれた器楽小品の一形態。

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大辞林 第三版の解説

冗談・たわむれの意
交響曲・四重奏曲・ソナタなどの第三楽章に用いられる、三拍子の急速で快活な音楽。諧謔かいぎやく曲。
ロマン派の時代に成立した独立の器楽小品。劇的または諧謔的内容をもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

「冗談、戯れ」の意で、「諧謔(かいぎゃく)曲」とも訳される。一般には軽快な三拍子の音楽で、とくに器楽曲の第三楽章(ときには第二楽章)に用いられる。(1)この名称は最初、17世紀のマドリガル風声楽曲に使用された(モンテベルディ作曲『スケルツォ・ムジカーリ』1607、1632)。(2)メヌエットのかわりにスケルツォの名をもつ楽章を用いたのはハイドンが最初で、「ロシア四重奏曲」とよばれる作品33の六曲の弦楽四重奏曲(第37~42番)にみられるが、実質的にはメヌエットである。メヌエットとは異なる様式をもつスケルツォを定着させたのはベートーベンであった。音楽は、中間部にトリオをもつ三部形式で、ユーモラスな性格をもつものが多く、シューベルト、シューマン、ブラームスらによって踏襲された。(3)19世紀には、楽器の音色を楽しむ楽章としても用いられ、メンデルスゾーンの劇音楽『真夏の夜の夢』やベルリオーズの劇的交響曲『ロミオとジュリエット』にその例がみられる。そのほか独立した作品としては、ショパンのピアノ曲(全四曲、すべて速い三拍子)、「ゲーテのバラードによるスケルツォ」の副題をもつデュカースの管弦楽曲『魔法使いの弟子』(1897)などがある。[関根敏子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (scherzo) バロック時代に発達したユーモラスで軽快な三拍子の声楽曲、または器楽小品。諧謔(かいぎゃく)曲。
※近代絵画(1954‐58)〈小林秀雄〉ピカソ「踊子の踊るのは、その憂鬱なスケルツォに合せてである」

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