スピノサウルス(英語表記)Spinosaurus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スピノサウルス
Spinosaurus

白亜紀後期に北アフリカに生息していた爬虫類竜盤目(→竜盤類)に属する肉食恐竜。体長 14~18m,頭蓋の長さ 1.75m,体重 13~22tと,ティラノサウルスを上回った。二脚歩行をし,メガロサウルスに似ていた。背骨の棘突起が長さ 1.9mもあるという奇妙な形態をもつ。この棘突起はちょうどウマの骨格のように筋肉の付着する場所をつくるためのもので,異常に長い棘突起につく筋肉の重さはかなりのものになったとみられる。これが熱の吸収発散のための温度調節機能に関連があったかどうかは不明である。歯は鋭くまっすぐで,後ろに曲がっていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

スピノサウルス(Spinosaurus)

竜盤目獣脚亜目の恐竜の一。中生代白亜紀前期から後期、アフリカ北部に生息。全長15~18メートル、体重6~9トン。肉食恐竜の中でもっとも大きい部類で、頭部も2メートルあり、ワニに似た形をしている。背に高さ1.6メートルの帆のようなひれをもつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラスの解説

スピノサウルス

白亜紀に生息した竜盤類獣脚類の肉(魚)食恐竜。全長約16メートル。大型で二脚歩行し、顎や歯はワニに似る。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スピノサウルス
すぴのさうるす
spinosaur
[学]Spinosaurus aegyptiacus

竜盤目獣脚類(亜目)テタヌラ類(下目)スピノサウルス上科Spinosauroideaスピノサウルス科Spinosauridaeスピノサウルス亜科Spinosaurinaeに属する恐竜。エジプトの白亜紀後期の初め、約9500万年前の地層から産出した。肉食恐竜のなかでは全長約15メートルもあって、桁(けた)はずれに大きい。しかも推定のもとになった模式標本では脊椎(せきつい)の上部と下部が融合していないので、まだ成体には達していないと考えられ、もっと大きく成長した可能性がある。特徴で目だつのは、脊椎の上部の突起が長く伸びてほぼ1.6メートルに達するひれがあったことである。ディロフォサウルス類に似てきゃしゃなつくりであるので体重は4トン弱とみなされる。発見されたのは、頸(くび)と胴と尾の部分の大量の椎骨のほかには、下顎骨(かがくこつ)の前半分だけであった。そのあごと歯もきわめて特異な形態を示す。下顎が深く、先端の幅が広い点はワニ類に似ていた。歯はほぼ円錐(えんすい)形なので、これもワニ類に近い。歯の数は獣脚類としては標準的で、バリオニクスBaryonyxよりも少ない。胸椎の棘(きょく)突起がとても高く伸び獣脚類中で最大を示し、アクロカントサウルスAcrocanthosaurusのそれをはるかに抜いている。頸椎(けいつい)と尾椎はわずかに高くなっている程度。白亜紀中ごろの北アフリカに生存していた脊椎動物を一覧すると、おもしろいことに気づく。スピノサウルスのほかにも、大形草食恐竜のオウラノサウルスOuranosaurus(カモノハシ竜)やレバキサウルスRebbachisaurus(竜脚類)など、時代と生息地が若干異なるものの、みな高いひれをもっていたことである。時代を古生代までさかのぼると、ペルム紀、約2億6000万年前のアメリカには初期の哺乳(ほにゅう)類型爬虫(はちゅう)類ディメトロドンや両生類(迷歯類)のプラティヒストリクスなど、背中にひれのある動物たちが数多く共存していた。系統の違う動物が類似の形態を発達させたこのような収斂(しゅうれん)現象のみられる時代と場所が集中しているのは、変温動物の体温調整法と気温との関係を示唆するものかもしれない。[小畠郁生]
『ウィリアム・ナスダーフト、ジョシュ・スミス著、奥沢駿訳、真鍋真監修『失われた恐竜をもとめて――最大の肉食恐竜をめぐる100年の発掘プロジェクト』(2003・ソニー・マガジンズ)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

多文化主義

マルチ・カルチュラリズムともいう。さまざまな人種,民族,階層がそれぞれの独自性を保ちながら,他者のそれも積極的に容認し共存していこうという考え方,立場。「人種のるつぼ」的な同化主義に対抗する考え方で,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

スピノサウルスの関連情報