翻訳|slurry
粘土を含む濁水のような懸濁液を一般にスラリーまたは泥漿と呼ぶ。鉱業ではパルプともいう。濃厚なものをスラリー,希薄濃度のものをサスペンションに区分することがある。また槽底に沈んで堆積する濃厚なスラリーをとくにスラッジあるいは汚泥と呼んで区別することもある。スラリーの性質は構成要素の液体と粒子の性質および液体中の粒子濃度により異なる。濃度の表示には,スラリー中の固体粒子の質量または容積分率およびそれらの百分率,スラリー単位体積当りの固体質量,固体単位質量当りの液体の質量(希釈度),スラリー単位体積中の液体の容積分率(空間率),スラリーの密度や見掛け密度など目的に応じた濃度が用いられる。スラリーの流動性は一般に粒子含有濃度により変化し,希薄濃度では水や油と同様にニュートン流動を示すが,濃厚になるとどろどろあるいはねばねばの状態となりビンガム流動性を示す場合が多く,圧力を加えて管中を送るとき管中心部が固まったまま押し出される栓流部を生じたりする。スラリーを長時間放置すると含まれている粒子は沈み,容器の上方に上澄み液を生じ2層に分離するので,これを防止するためには適当な安定剤を加える必要がある。鉱工業では原料から製品にいたる各種の工程で大量の粉末状物質を扱う場合が多く,その積み降ろしや移動にスラリーの流動性を利用しスラリーポンプでパイプ中を送る方法が採用され,鉱石,石炭,木材チップなどの長距離スラリー輸送例がある。
執筆者:渡辺 治夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…粒径数十μm以下というような微細な固体粒子が液中に懸濁しているもの,すなわち固体微粒子の懸濁液。スラリーslurryとほぼ同義。懸濁媒体となる液体としては水が最も一般的である。…
…粒径数十μm以下というような微細な固体粒子が液中に懸濁しているもの,すなわち固体微粒子の懸濁液。スラリーslurryとほぼ同義。懸濁媒体となる液体としては水が最も一般的である。…
※「スラリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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