スーパー・リアリズム(読み)スーパーリアリズム

百科事典マイペディア 「スーパー・リアリズム」の意味・わかりやすい解説

スーパー・リアリズム

リアリズムを超えるリアリズム〉の意味で,ハイパーリアリズムHyperrealismともいわれる。1970年代に絵画の分野で盛んになった,写真的な〈本物らしさ〉を追求する傾向を指す。抽象表現に対するアンチテーゼという側面もあるが,根底にはミニマル・アートなどとも共通する傾向が見られる。三次元的なイリュージョンを操作しつつ,あくまでも二次元的に表現可能な視覚的なリアリティに留まり,対象となる事物ないしは人物の表層に隠された精神性や,表現する側の個性を一切捨象している点が特徴である。絵画ではチャック・クローズ〔1940-〕,リチャード・エステス〔1932-〕,また彫刻では,皮膚や毛など対象の細部にまで肉薄する表現で知られるドゥエイン・ハンソン〔1925-1996〕がいる。

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