セロハン

精選版 日本国語大辞典の解説

セロハン

〘名〙 (cellophane)⸨セロファン⸩
① ビスコースを原料とする再生セルロースのフィルム。ビスコースをホッパーから希硫酸または硫安液中に押し出してフィルム状に凝固させ、ロールで連続的に送りながら脱硫、漂白、脱塩、柔軟化、乾燥などを行なってつくる。光沢があり透明性がよく、のりづけ、着色、印刷などが容易。主として包装に用いられる。
※夏の手紙(1937)〈北園克衛〉スカンポ「晴れた空は塗りたての青いエナメルだ ときどき風がセロファンのやうに光る」
② 「セロハンし(━紙)」の略。
※夢声戦争日記〈徳川夢声〉昭和一七年(1942)六月一七日「セロファンを貼ったガラス戸も」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セロハン
cellophane

再生セルロースから製造される透明フィルム溶解パルプからビスコースをつくり,これを細長いスリット (穴) から凝固浴槽の中へ押出し,水洗いしたのち,グリセリンなどを含む柔軟剤を加えて薄紙状に牽伸してつくる。一般に透明性,機械適性,包装適性,帯電性がすぐれている反面,耐熱性,耐湿性が著しく劣る。セロハン表面を塗被することにより防湿性や耐熱性を改善したものもある。用途は,オーバーラップ,ひねり包装材,ラミネート基材,粘着テープ材など。 (→防湿セロハン )

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百科事典マイペディアの解説

セロハン

アルカリセルロースの化合液であるビスコースを酸凝固浴中に押し出すことによって得られる再生セルロースの凝固フィルム。1907年にドイツのJ.ブランデンベルガー,1908年にイギリスのC.F.クロスらがセロハンを開発した。透明性・吸湿性にすぐれ,着色・印刷も容易で包装用に広く利用,セロハンテープともされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

セロハン【cellophane】

ビスコースを酸凝固浴中に押し出してつくられる再生セルロースフィルム。パルプを水酸化ナトリウムでマルセル化してアルカリセルロースとし,次いで二硫化炭素と反応させて,セルロースキサントゲン酸ナトリウムとする。これをアルカリ希薄溶液に溶かしたものがビスコースである。このビスコースをT‐ダイ(T字形の口金)から酸溶液中に押し出すと,セルロースが再生されて凝固フィルムが得られる。第2次世界大戦以前は包装用として多方面に利用されたが,戦後は他にすぐれたプラスチックフィルムが生まれたため,現在ではその吸湿性,透湿性を生かす分野で使用されているにすぎない。

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世界大百科事典内のセロハンの言及

【パルプ】より

…和紙の原料としてコウゾ,ミツマタ,ガンピなどの靱皮(じんぴ)繊維パルプも作っているが,量はきわめて少ない。用途による分類では二つに分けられ,紙やノンウーブンのように繊維形態をとったまま利用して使う製紙パルプpaper pulpと,ビスコースレーヨン,セロハン,酢酸セルロースのように再生セルロースやセルロース誘導体を作るために使用する,セルロースの純度の高い溶解パルプdissolving pulpの二つに分けられる。溶解パルプはおもに木材や綿リンターから作られるが,竹やバガスからも作ることができる。…

※「セロハン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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