センノウ(仙翁)(読み)センノウ

百科事典マイペディア 「センノウ(仙翁)」の意味・わかりやすい解説

センノウ(仙翁)【センノウ】

中国から渡来し庭に栽植されるナデシコ科多年草であるが,現在栽培は少ない。60cmほどの高さになり,全体に細毛を密生し,節が高く,広披針形の葉を対生。夏,枝先に集散花序をつけ,径約4cmの深紅色の花を開く。花弁は5枚で先端に不整の数個の切れ込みがある。同属別種のスイセンノウ酔仙翁)は南欧原産で,全体に白い綿毛があるのでフランネルソウともいう。夏〜秋,長い柄のある紫紅色の花を開く。庭や切花用に栽培。フシグロセンノウは日本特産で,山中の半陰地に自生。高さ80cmに達し,節が高く紫黒色を帯びる。7〜9月,径5cmほどの花弁の先が少しくぼんだ朱赤色の花を開く。観賞用に栽培されるマツモトセンノウは,花柄がなく,花弁の先は浅く2裂し,縁に細かい刻みがある。花色は深赤だが,絞りや白花品もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「センノウ(仙翁)」の意味・わかりやすい解説

センノウ(仙翁)
センノウ
Lychnis senno

ナデシコ科の多年草。古く中国から渡来し,観賞用に栽培されている。全草に細毛が密生し,茎は円柱形で高さ 60cmぐらいになる。夏,枝先に集散花序を出し,直径 4cmぐらいの美しい5弁花をつける。普通濃い紅色であるが,白花もある。花弁の先がなかほどまで深く数片に裂け,おしべ 10本とめしべには5本の花柱がある。和名京都の仙翁寺に植えてあったためといわれる。

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