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センベーヌ

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百科事典マイペディアの解説

センベーヌ

セネガルの小説家,映画監督,映画製作者。漁師の家に生まれ,苦学。第2次大戦後マルセイユ沖仲仕となり,労働運動に参加。人種差別を暴く自伝的小説《黒い沖仲仕》(1956年)でデビュー,祖国の人民の解放を願う《おお,わが祖国よ,美しき民よ》(1957年),ストライキに起ち上った鉄道労働者と家族を描く《神の森の木々》(1960年)が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

センベーヌ
せんべーぬ
Ousmane Sembne
(1923―2007)

セネガルの小説家、映画監督。カザマンス地方の漁民の家に生まれ、小学校中退後、漁民、修理工員、左官などを経験。第二次世界大戦ではフランス軍に徴用された。戦後ダカールに戻り、アフリカ最大の鉄道ストライキに加わった。1948年にフランスに渡り、マルセイユで港湾労働者をしながら文筆活動に入った。白人の深層心理に潜む偽善と人種差別を暴いた『黒い沖仲仕』(1956)、農民解放テーマとした『おおわが祖国、わがすばらしき民衆』(1957)、鉄道労務者のストライキを描いた『神の森の木々』(1960)など、フランス語による社会主義リアリズムの小説を発表。だが、話しことばはあっても文字をもたず、フランス語の読める同胞のきわめて少ないことから、民衆にも理解される映画作家になるために、1961年モスクワのゴリキー映画研究所に留学して映画技術を学び、1968年の『為替(かわせ)』でベネチア国際映画祭の審査員特別賞を受賞した。ほかに、小説に『不能者』(1973)、『帝国の最期』(1981)、短編集に『ニーワン』(1987)、映画に『エミタイ』(1971)、『ハラ(不能者)』(1974)、『チェド(異端者)』(1976)がある。また女子割礼の風習に立ち向かう女性を描いた『母たちの村』(2004)はカンヌ国際映画祭の、ある視点部門グランプリを受賞した。1984年(昭和59)映画『エミタイ』が日本で初上映され評判をよんだとき、国際交流基金の招きで来日。1989年にも『チェド(異端者)』の上映時にふたたび来日している。[土屋 哲]

資料 監督作品一覧

ボロム サレ Borom Sarret(1963)
黒人女 La noire de...(1966)
為替 Mandabi(1968)
タアウ Taaw(1970)
エミタイ Emita(1971)
ハラ(不能者) Xala(1974)
チェド(異端者) Ceddo(1976)
母たちの村 Moolaad(2004)
『藤井一行訳『セネガルの息子』(1963・新日本出版社) ▽藤井一行訳『神の森の木々』(1965・新日本出版社) ▽片岡幸彦訳『帝国の最後の男』(1988・新評論) ▽聞き手・小栗康平『アフリカから日本へのメッセージ』(1989・岩波書店) ▽山本玲子訳『ニーワン――セネガルのこころ』(1990・サイマル出版会)』

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