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セーブル磁器 セーブルじきSèvres

翻訳|Sèvres

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セーブル磁器
セーブルじき
Sèvres

フランス国立磁器工場 (セーブル窯) で作られた磁器。セーブル窯は 1738年にバンセンヌ城内に築かれたバンセンヌ窯を前身とし,56年にベルサイユ宮殿近くのセーブルに設立されたもと王立磁器工場。ルイ 15世の愛妾ポンパドゥール侯夫人の後援と管理により非常に品質の高い食卓用磁器が焼かれ,王室や貴族の専用に供された。特に青,紅,緑,黄色の地塗りと,塗残した白い窓状の余白の中に,多彩な花文や,画家ブーシェグルーズによる雅宴図 (→フェート・ガラント ) が絵付けされ,金彩の縁取りをした清麗な様式は,セーブル磁器の名声を全ヨーロッパに広め,他窯にも大きな影響を与えた。ポンパドゥール夫人の死後はデュ・バリー夫人が管理し,製品の様式は端正なクラシック様式に変った。この頃までのセーブル磁器は軟質磁器であったが,硬質磁器用のカオリンがリモージュ近郊で発見されたのを契機として,69年より硬質磁器も焼かれるようになり,19世紀に入って A.ブロニャールが工場の大改革を行なってからは,全面的に硬質磁器に切替えられた。 89年のフランス大革命によって,この王立磁器工場は国有化され,以後,国立磁器工場として今日にいたっている。付属のセーブル国立陶磁器美術館には代表的な作品を展示している。

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デジタル大辞泉の解説

セーブル‐じき【セーブル磁器】

フランス、セーブルにある国立磁器工場で焼かれた磁器。18世紀中期、ルイ王朝の後援により始まる。

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百科事典マイペディアの解説

セーブル磁器【セーブルじき】

フランス,パリ西郊のセーブルにある国立磁器製作所の製品。初めバンセンヌにあってルイ15世の保護を受け,1753年王室工場となり,1756年セーブルに移転。軟質磁器の特性を生かし多彩色の絵を装飾的に用いて,それまでのマイセン磁器の様式に代わるフランスロココ独特の優美な製品を作った。
→関連項目セーブルチェルシー磁器

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世界大百科事典 第2版の解説

セーブルじき【セーブル磁器 Porcelain de Sèvres】

フランス,パリ西郊のセーブルにある国立磁器製作所の製品。セーブル窯の前身はバンセンヌVincennes窯で,1738年オルリー・ド・フルビが,国王ルイ15世に国家による磁器焼成の必要を進言し,当時パリ郊外バンセンヌ城内の乗馬学校の建物と多額の資金を得て開窯した。開窯当初は磁器の焼成にはいたらなかったが,45年,有能な職人を採用して磁器(軟質)の焼成に成功した。また著名な化学者エローJean Hellot(1685‐1766)や金工家デュプレシJ.C.Duplessisらを磁器製作の指導者とすることによって発展するとともに,勅令によって他の窯での多色・金彩磁器の焼成を禁止し独占を計った。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セーブル磁器
せーぶるじき
porcelaine de Svres

フランスのもっとも代表的な磁器の一つ。ドイツマイセン窯(よう)、オーストリアのウィーン窯など、ヨーロッパが相次いで磁器の焼成に成功したのを受け、フランスでも1741年デュボア兄弟によってバンセンヌに磁器製作所が創設された。その後、国家の保護を受けてこのバンセンヌ窯はしだいに王立陶磁器製作所として発展し、東洋の磁器を模した優れた軟質磁器を製作した。セーブル窯は、1756年、国王ルイ15世の寵妾(ちょうしょう)で愛陶家のポンパドゥール夫人の提言により、バンセンヌ窯をセーブルの地に移転し、王立セーブル磁器製作所として再出発したのに始まる。以来1789年の大革命に至るまで、それまでの中国や日本の色絵磁器の模倣を脱し、画家ブーシェをはじめ多くの芸術家が動員され、フランスが誇るロココ趣味のもっとも優れた磁器が製作された。大革命により一時閉窯、その後ナポレオン時代にアンピール(皇帝)様式の磁器を焼成した。現在は国立となって、往時に劣らぬ高級磁器の製作に努めている。[前田正明]

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