アンピール様式(読み)アンピールようしき(英語表記)Empire style

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンピール様式」の意味・わかりやすい解説

アンピール様式
アンピールようしき
Empire style

ナポレオン帝政下 (1804~14) に流行した,建築,室内装飾,家具,工芸の新古典主義的装飾様式広義には同時代の絵画彫刻も含めた美術様式をさす。実際には,総裁政府時代 (1795) 頃から始り,19世紀後半まで流行。同じ様式は,ドイツではビーダーマイアー様式,イギリスでは摂政時代様式と呼ばれる。アダム兄弟による新古典主義装飾の第1段階が,比較的繊細華奢であるのに対し,この様式は整然とした直線を中心とする均整美を強調する。建築家としては,ナポレオンの宮殿を造営した C.ペルシエ,P.フォンテーヌがいる。家具はマホガニー,ローズウッドを主として用い,鍍金真鍮による古典的な装飾を多用し,様式はギリシアの椅子クリスモスその他を模倣。陶器類もギリシア,ローマフォルムを借用し,金彩を多用した。

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