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ゼンマイ Osmunda japonica; royal fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゼンマイ
Osmunda japonica; royal fern

ゼンマイ科のシダ植物。日本およびシベリア,中国大陸からヒマラヤにかけて分布する。各地の山野に普通に生える。地中にある太い根茎から毎年春先に新葉を出す。葉は長さ 50~100cm,葉身は広い三角状卵形の2回羽状複葉になる。胞子葉はこれよりやや早く伸び,普通の葉と同様2回羽状複葉であるが,小羽片はほとんど脈だけから成り,そのまわりに多数の胞子嚢がついて穂のようになる。春,芽生えたばかりの先の巻いた若い葉は食用にする。

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百科事典マイペディアの解説

ゼンマイ

ゼンマイ科の夏緑性シダ。日本全土に分布,特に山地の谷沿いに多く,大群落を作る。地下茎は大株になり,葉は集まって出,高さ0.5〜1m。2回羽状複葉で,小羽片は披針形となり柄がない。
→関連項目シダ(羊歯)植物

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栄養・生化学辞典の解説

ゼンマイ

 [Osmunda japonica].真正シダ目ゼンマイ科ゼンマイ属の大型多年草.シダ植物で,早春にできる胞子葉,裸葉を食用にする.

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食の医学館の解説

ゼンマイ

《栄養と働き&調理のポイント》


 ゼンマイは春を感じさせる代表的な山菜の1つ。全国の山野に自生しており、春先に摘んだ若芽を食用とします。一般的には、ゆでたものを乾燥させた干しゼンマイがよく使われています。
○栄養成分としての働き
 栄養成分としては、たんぱく質やカロテン、ビタミンB群などを含んでいます。
 生のものを干しゼンマイにすると、水分が減った分だけカリウム、カルシウム、カロテン、食物繊維などの栄養成分をたっぷり含むようになります。
○漢方的な働き
 民間療法では、貧血や利尿(りにょう)に乾燥させたゼンマイを煎(せん)じたものがよく使われます。
 ゼンマイはアクが強いので、使うときはかならずアク抜きをします。まず綿毛をとり、塩を入れた湯でしばらくゆでてすぐに水にさらします。そのまま2~3時間おきますが、にがみが残っているようだったら、さらす時間をのばします。完全ににがみを取り除きたいときは、重曹(じゅうそう)を入れた湯でゆでます。
 和えものやおひたし、煮もの、炒(いた)めものなどに利用します。とくに油との相性がいいので、炒めものがおすすめです。煮ものなら油揚げといっしょに調理をするとおいしくなります。
 干しゼンマイはもどしてから使います。もどし方は、一晩ぬるま湯にひたしたあと、中火から弱火でゆっくりとゆでていきます。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゼンマイ【Osmunda japonica Thunb.】

平地から山地にかけて,林下に普通のゼンマイ科の夏緑性シダ(イラスト)。ゼンマイは銭巻の意とされ,巻いている若葉が古銭の大きさだったからといわれる。ぜんまいばねの名は植物名から由来した。早春,まだ展開しない栄養葉の若芽を摘んで乾燥させたものは食用に供され,山菜の王者として珍重される。葉は胞子葉と栄養葉が全く異なる2形を示し,若芽は淡赤褐色の綿毛に密におおわれるが,成葉は無毛となる。胞子葉は春に展開して,胞子を散布すればすぐに枯死する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゼンマイ
ぜんまい / 薇
[学]Osmunda japonica Thunb.

ゼンマイ科の夏緑性シダ。太い塊状の根茎から、葉を束生する。葉には早春に出る胞子葉と、遅れて出る栄養葉の2型がある。栄養葉は淡緑色、葉身は洋紙質の三角状広卵形で2回羽状に分裂し、長さ60~100センチメートル、幅40~60センチメートル。小羽片(終裂片)は広披針(こうひしん)形で、長さ5~10センチメートル。先はとがらず、基部は無柄。胞子葉は葉身が縮み、葉肉が退化して、小羽片は線形である。胞子嚢(のう)を密生し、胞子を放出したあとに枯落する。ゼンマイは各地の山野に生えるが、まだ葉の開かない若芽は、葉柄にタンパク質や炭水化物を多量に含むため、摘み取って食用にする。蒸してから乾燥させたり、塩漬けにすると蓄えることもできる。根はゼンマイ根(こん)といい、着生植物栽培の際、ヘゴの樹幹の代用にする。
 ブナ帯の明るい草原に群生するものにヤマドリゼンマイO. cinnamomea var. fokiensisとオニゼンマイO. claytonianaがある。ともに長楕円(ちょうだえん)形の1回羽状複葉を束生するが、前者は葉に胞子葉と栄養葉の2型があり、後者は葉の中部の数対の羽片が縮んで胞子羽片となる。いずれも食用となる。[西田 誠]

食品

なまのものを使用することもあるが、多くはいったん干してから使用する。乾燥品は水でもどすことが必要であるが、市販品はもどしたものが多い。なまのまま干したものを「あお干し」、ゆでてから干したものを「あか干し」という。食物繊維が多く含まれている。調理法としては、もどしたものを適当な大きさに切り、油で炒(いた)め、ひたひたにだし汁を加え、煮立ってから酒、あるいはみりん、砂糖などを加えて煮込む。十分柔らかくなったところでしょうゆを加え、仕上げる。なお、油揚げがよく味にあうので、通常、細く切ったものを加えることが多い。[河野友美]

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