ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソッツィーニ」の意味・わかりやすい解説
ソッツィーニ
Sozzini, Fausto (Paolo); Socinus, Faustus
[没]1604.3.3. ポーランド,ルツラウィツェ
ユニテリアン派の神学者。ソッツィーニ主義の開祖。Socini,Soziniとも記す。イタリアの名門の出。当初は法律を学んだが,のち伯父レリオ・ソッツィーニの影響下に神学の研究に専念。イタリア在住中に反三位一体論的な論説を発表(→三位一体),また『聖書の権威について』De Sacrae scripturae auctoritate(1570)を匿名で出版した。庇護者コジモ1世の死後イタリアからバーゼルに移って聖書研究を続けた。バーゼル時代の救済観念に関する J.クーエとの論争は有名。その後 1580年にユニテリアン派との接近を企てポーランドに赴き,やがてユニテリアン派の神学上の指導者となる。1588年ポーランドの貴族の女性と結婚。予定説(→予定),キリストの贖罪,原罪などの教義を否定し,1594年クーエとの論争に基づく『救い主イエス・キリストについて』De Jesu Christo servatoreを出版してクラクフで迫害を受けた。晩年は病気がちであったがポーランドのユニテリアン派諸団体の統一に大きな役割を果たした。死後,教理問答『ラカウ・カテキズム』Rakauer Katechismus(1605)がポーランドで出版された。ソッツィーニ派の著作を集めた "Bibliotheca Fratrum Polonorum quos Unitarios Vocant"(8巻,1656)の 1,2巻にはソッツィーニの作品が収められている。
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