デジタル大辞泉
「ソレル」の意味・読み・例文・類語
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ソレル
(Georges Sorel ジョルジュ━) フランスの社会思想家。反議会主義の立場から、サンジカリスムを理論づけた。主著「暴力論」。(一八四七‐一九二二)
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ソレル
Georges Sorel
生没年:1847-1922
フランスのサンディカリストの理論的指導者。シェルブール生れ。エコール・ポリテクニクに学び,2年で中退後,25年間にわたって政府の技師として働いた。その後,フランスの労働組合運動(サンディカリスム)に取り組み,その理論的指導を行ったために,1892年以降,文筆活動に専念する。彼は,マルクスやプルードンの影響の下に,資本主義打倒の道をフランス労働運動の実践のなかに求めていったが,その理論的集大成が,1908年に公刊された《暴力論》である。そこでは,ブルジョアジーの暴力forceに対抗するには,プロレタリアートの暴力violenceが必要であること,そしてその具体的方法としてゼネストがあることが説かれている。しかし,彼の説く直接行動主義は,その経済第一主義,非政治性のために,政治的にはあいまいな解釈を許すことになり,その後,左右両翼の諸運動がソレルのサンディカリスムに,その理論的支柱を見いだすことになった。左翼のほうでは,レーニンのボリシェビズムやイタリアのA.グラムシが大きな影響を受けているし,右翼についても,ムッソリーニに対するソレルの決定的な影響は特筆されてよい。彼は,1917年のロシア革命に大きな喜びを見いだし,レーニンを弁護するが,世を去ったのは,奇しくもムッソリーニがローマ進軍を敢行する直前であった。
執筆者:舛添 要一
ソレル
Charles Sorel
生没年:1600ころ-74
フランスの作家。パリの町民の家に生まれ,リジュー学院に学ぶ。1635年に叔父から修史官の官職を買いとり,生涯その職にあった。17歳頃から文筆活動をはじめて文学のほか歴史,哲学などの分野にも筆を染め,多くの作品を残してパリに没した。代表作は《フランシヨンこっけい物語》(1623-33)で,若い貴族フランシヨンの遍歴を軸としながら,同時代の貴族,町民,農民さらには文士,娼婦,浮浪人,また法曹界や学校生活などが生き生きと描かれ,スカロンの《こっけい物語》,フュルティエールの《町民物語》とならんで,17世紀の風刺的写実小説の傑作とされているが,そこにはまた同時代の社会の宗教的・道徳的・政治的基盤にたいする鋭い批判や自由な生命力の礼賛,情念の解放の称揚など自由思想家的色彩も見られる。ほかに《ドン・キホーテ》を模して当時流行の牧人小説のパロディを意図した“反小説”《とほうもない羊飼い》(1627-28),金融業者を中心にパリの町民の風俗を克明に描いた《ポリヤンドル》(1648),文学・人文関係の著作に関する貴重な《フランス書誌》(1664)などがある。
執筆者:赤木 昭三
ソレル
Antonio Soler
生没年:1729-83
スペインの作曲家,オルガン奏者。1752年にエル・エスコリアルの修道院に入り,終生オルガン奏者,合唱長を務めた。D.スカルラッティの教えを受けたことがあり,約120曲の鍵盤ソナタはその影響をよく示している。132曲のビリャンシーコをはじめとする声楽曲も多いが,それらは近年専門家の間で注目され始めたところである。理論家としてもすぐれた著作を残している。
執筆者:大崎 滋生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ソレル
Sorel, Georges
[生]1847.11.2. フランス,シェルブール
[没]1922.8.28. フランス,ブーローニュシュルセーヌ
フランスの思想家。エコール・ポリテクニク出身の技師であったが独学で社会主義思想や哲学を研究。マルクス,プルードン,ベルグソン,ウィリアム・ジェームズ,ニーチェらの影響を受けた独特の社会理論を展開し,サンディカリズムの理論的基礎づけを行なったが,他方,一時期アクシオン・フランセーズに接近したこともある。その主意主義的・行動主義的な革命論は 20世紀前半の思想に大きな反響を呼び,一説にはレーニンとムッソリーニに影響を与えたとも伝えられている。著書に『暴力論』 (1908) ,『進歩の幻想』 (08) がある。
ソレル
Sorel
カナダ,ケベック州南部の都市。セントローレンス川南 (右) 岸の支流リシュリュー川が合流する地点に 1642年建設された要塞を中心に発達。農業地帯の行政,文化,商業の拠点。歴史博物館,2つの大聖堂,ゴシック様式の聖堂 (1842) などがある。河港は,リシュリュー川,シャンプレーン湖,ハドソン川を経てニューヨーク港にいたる水路の重要な位置を占め,冬季は汽船や浚渫船の繋船場になる。製鋼,チタン合金,船舶修理,合成樹脂,合成繊維などの工場も立地する。人口1万 8786 (1991) 。
ソレル
Sorel, Albert
[生]1842.8.13. カルバドス,オンフルール
[没]1906.6.29. パリ
フランスの歴史家。 H.テーヌの弟子にあたる。外交史に才能を発揮し,フランス革命期外交史を研究。主著『ヨーロッパとフランス革命』L'Europe et la Révolution française (8巻,1885~1904) は,フランス革命期とナポレオン時代の国際関係についての卓越した研究である。
ソレル
Sorel, Agnès
[生]1422頃.フロマントー
[没]1450. アンヌビル
フランス王シャルル7世の愛妾。4王女の母。 J.クールらとともに王の側近となり,国王の政治にかなりの影響力を与えた。急死したため毒殺の風評が立ち,王子ルイ (のちのルイ 11世) に疑惑が及んだが確証はない。
ソレル
Soler, Antonio
[生]1729.12.3. オロトデポレーラ
[没]1783.12.20. マドリード,エルエスコリアル
スペインの作曲家。モンセラト修道院で音楽を学び,レリダ大聖堂の楽長を経て,1752年マドリード近郊エルエスコリアル修道院のオルガニストとなる。 D.スカルラッティの教えと影響を受け,多数の鍵盤楽曲,室内楽,教会音楽を作曲した。
ソレル
Sorel, Charles, sieur de Souvigny
[生]1602
[没]1674
フランスの小説家。悪者小説『フランシヨン滑稽物語』L'Histoire comique de Francion (1623) ,風刺小説『突飛な羊飼い』 Le Berger extravagant (27) など。
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ソレル
日本でも田のあぜ道などに自生しており、春の野草として知られるソレル。かむと酸っぱいことから、和名を「酸葉(すいば)」「スカンポ」といいます。
ソレルは多量のビタミンCを含むのが特徴です。ビタミンCのおもな働きは、免疫力の強化や、肌荒れ、色素沈着の防止などです。
○外用としての使い方
水虫やたむしには患部に酢を塗ったあと、新鮮な根の絞り汁をつけると効果があります。
○食品としての使い方
ソレルは、その酸味とほろにがさを生かして、料理の風味付けに使うのが一般的。とくに、フランス料理のソース、サラダ、煮込みなどでよく使われます。
ただし、料理の際に鉄の鍋を使うと不快な金属臭がでるので注意。また、シュウ酸を多く含むので、生食したり、多量に摂取を続けると結石(けっせき)の原因になります。
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ソレル
フランスの政治思想家。25年間政府の土木技師であったが,1890年代よりプルードンやマルクスの影響を受け,社会改革のための文筆活動に従事,サンディカリスムの理論的指導者となった。主著《暴力論》(1908年)。
→関連項目暴力論
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ソレル
Georges Sorel
1847~1922
フランスの政治思想家。その思想はマルクス,プルードン,ベルグソンの影響を受け多様に変化した。人間の道徳的エネルギーが,歴史において決定的役割を果たすと強調した。主著『暴力論』。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
ソレル
Georges Sorel
1847〜1922
サンディカリスムを理論づけたフランスの社会哲学者
1908年の『暴力論』で暴力の倫理性を主張した。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
世界大百科事典(旧版)内のソレルの言及
【スイバ】より
…欧米ではとくに好まれ,栽培されて緑色野菜としてサラダやソースの材料に用いられる。英名のソレルsorrelはフランス語surrelle(〈酸っぱい〉を意味するsurから)に由来する。しかし多量に食べると下痢や嘔吐などの中毒をおこす。…
【サンディカリスム】より
…以下はこの用法に従っている。なお,この運動に示唆を受けて独自の理論を展開した[G.ソレル]らの思想をサンディカリスムと称した例がかつて見られたが,今日ではこの用法は行われていない。
[サンディカリスムの成立]
1860年代に出現したフランス労働組合運動は80年代後半にいたって本格的発展を迎えるが,二つの歴史的条件がその展開を規定した。…
【暴力】より
…その限りで,暴力は倫理的でさえありうる。こうした暴力の倫理性を強く主張したのが,G.ソレルの《暴力論》であった。ソレルは,ブルジョアジーが国家機構を通じて行使する力をフォルスforceと呼び,プロレタリアートが革命の際,対抗的に行使する力をビオランスviolenceと呼んで,フォルスの非倫理性に対してビオランスの倫理性を対置した。…
※「ソレル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」