ソーヌ川(英語表記)La Saône

改訂新版 世界大百科事典 「ソーヌ川」の意味・わかりやすい解説

ソーヌ[川]
La Saône

フランス東部の川。ローヌ川最大の支流全長482km。ボージュ山地南部に源を発し,ほぼ南西流しながらオニョン川,ドゥー川などを合わせてシャロン・シュル・ソーヌに達した後,流路を南に転じてリヨンでローヌ川と合流する。南流する部分は西側のマシフ・サントラルと東側のジュラ山脈に挟まれた幅の広い地溝であり,ソーヌ川沿いの平野ではトウモロコシの栽培が盛んである。西側には1000m内外の標高をもつマコネボージョレ山地が続き,ブルゴーニュ・ワインの特産地として名高い。ソーヌ川に沿うマコンMâconはワインの集散地の一つである。ソーヌ川は勾配がゆるく,また水量が豊富なためリヨンの上流374kmまで航行可能で,ロアール川とは中央運河,ヨンヌ川とはブルゴーニュ運河で結ばれるほか,マルヌ川モーゼル川とも結ばれている。また支流のドゥー川を介してライン川とも結ばれており,内陸水路として重要な役割を果たしている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーヌ川」の意味・わかりやすい解説

ソーヌ川
そーぬがわ
la Saône

フランス東部の川で、ローヌ川の支流。全長480キロメートル、流域面積約3万平方キロメートル。ボージュ山地南部の標高396メートルの地点に発し、パリ盆地の南東縁を画するラングル高地およびコート・ドール山地と、ジュラ山脈との間に挟まれた広い谷底平野を南西流する。シャロンの上流左岸でドゥー川を受け入れ、マコンからぶどう酒産地として有名なボージョレー山地を右岸にみて、リヨンでローヌ川に合流する。合流点での年平均流量は毎秒400立方メートルを超えて比較的多く、その季節的な変化も規則的で、傾斜も緩やかである。そのため水運には有利で、ドゥー川を経てライン川と、中央運河によってロアール川と、ブルゴーニュ運河によってセーヌ川やマルヌ川とそれぞれ通じ、フランス東部における水運の大動脈となっている。ローヌ川のピエール・ベニット・ダムの建設により水位が上昇し、ローヌ―ソーヌ間の水運条件が改善された。

[高橋 正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソーヌ川」の意味・わかりやすい解説

ソーヌ川
ソーヌがわ
Saône

フランス東部を南に流れるローヌ川の支流。全長 480km。ボージュ県南西部に発し,ボージュ山地とラングル高地間を南西流。オートソーヌ県南部からは肥沃な地溝帯を形成。オニョン川,ドゥー川を左岸に合流し,ソーヌエロアール県のシャロンシュルソーヌにいたる付近で谷は最も広くなり,豊かな農業地帯を形成。ここからはマコネー山脈東麓をほぼ南下し,リヨンでローヌ川に合流。ソーヌ川はオートソーヌ県北部まで約 375kmが航行可能。モーゼル,ムーズ,ロアール,セーヌの各水系とも運河で結ばれ,物資輸送が非常に盛んである。

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