タイムラグ(その他表記)time lag

デジタル大辞泉 「タイムラグ」の意味・読み・例文・類語

タイム‐ラグ(time-lag)

互いに関連する事柄の間に起こる、時間のずれ。「外国市場との間にタイムラグがある」

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精選版 日本国語大辞典 「タイムラグ」の意味・読み・例文・類語

タイム‐ラグ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] time lag ) 密接に関連する二つ現象出来事の間に生ずる時間のずれ。

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改訂新版 世界大百科事典 「タイムラグ」の意味・わかりやすい解説

タイム・ラグ
time lag

経済学において,タイム・ラグとは,ある経済現象が起こったとき,それに対する反応が直ちに起こらず,ある時間を置いてから起こることをいう。タイム・ラグの重要な例としては,(1)D.H.ロバートソンが強調した消費ラグ家計所得が増加したとき,すぐには消費を増加させず,一定の時間がたってから増加させる),(2)E.ルンドバーグやL.A.メツラーが強調した生産のラグ(販売量の増加に対して,企業は当座は在庫を減らすことによって対処し,生産の増加はしばらくたってから行う),(3)投資計画と投資の実行の間のラグ(投資計画を立て機械等を発注しても,すぐには機械等の受渡しは行われないため,投資計画とその実現の間にはラグがある),等があげられる。

 経済学においてタイム・ラグが重要視される理由は,タイム・ラグを含んだ動学方程式によって,静学理論均衡実際に経済が到達する経路を記述することができるからであり,またタイム・ラグを仮定することで,静学的な理論では説明できない経済変数の循環的な動きや,オーバーシューティングといった現象を説明できるからである。たとえば,t期の国民所得Yt,消費をCt,貯蓄性向をsとして消費のラグを仮定すると,Ct=(1-sYt-1の関係が成立する。ここで投資の水準IとすればYt=(1-sYt-1I,すなわちYtI/s+(1-stY0I/s)が得られる。

 この式は,ケインズ理論での均衡国民所得の水準,すなわちI/sへ国民所得が近づいていく経路を示す。実際の消費の変動に対して生産水準が反応するには1期を要し,さらに,企業は前期の消費水準が再び今期に実現すると考えるものとする。そうすると,企業は,まず予想される消費需要を満たすため(1-sYt-1生産し,前期の予想のはずれから生じた在庫変動を相殺するために(1-sYt-1-(1-sYt-2生産し,さらに投資需要を満たすためIだけ生産する。したがってYtI+2(1-sYt-1-(1-sYt-2が成立する。この式は,Ytが循環的な動きをすることを意味する。また加速度原理によって投資計画が決まり,投資計画とその実施の間に1期のラグがあるとすれば,t期の投資はvYt-1Yt-2)となる(vは加速係数)。消費ラグは存在しないと仮定すればYt=(1-sYtvYt-1Yt-2)で国民所得が決定される。この動学的方程式は,国民所得がサイクリカルな動きをする可能性のあることを示している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイムラグ」の意味・わかりやすい解説

タイム・ラグ
たいむらぐ
time lag

経済行動にしばしばみられるように、ある変化に対して適応するには時間の遅れを伴うことが多い。この時間の遅れ、ないし反応速度の遅れをタイム・ラグという。マクロ動学的な乗数過程分析の支出ラグ(所得の受取りから支出までの期間)、産出ラグ(売上高の変化から産出量の変化までの期間)、収入ラグ(生産の変化から要素収入の変化までの期間)の三区分や、経済政策に伴う認知ラグ(政策の必要からそれを認知するまでの期間)、行動ラグ(認知から政策発動までの期間)、実現ラグ(政策発動から所期の効果が実現するまでの期間)の三区分などのタイム・ラグがよく知られている。

[羽鳥 茂]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイムラグ」の意味・わかりやすい解説

タイムラグ
time lag

単にラグともいう。経済にある刺激を与えたとき,その影響がほかの部分に及ぶまでの時間の遅れのこと。経済学上からみて重要なタイムラグは,(1) 乗数過程におけるラグと,(2) 投資とそれの生産能力化にいたるまでのいわゆる資本の懐妊期間としてのラグとがある。

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カメラマン写真用語辞典 「タイムラグ」の解説

タイムラグ

 なんらかの操作を行って実際にカメラが動くまでの時間のズレのこと。 シャッターレリーズタイムラグ や 撮影タイムラグ などがある。タイムラグの少ないほど高レスポンスなカメラといえる。

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