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タラバガニ タラバガニ Paralithodes camtschaticus; king crab

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タラバガニ
タラバガニ
Paralithodes camtschaticus; king crab

軟甲綱十脚目タラバガニ科 Lithodidae。一般的な外形はカニに似ているが,最後の脚が小さくて鰓室内に差し込まれており,また雌では腹部が左右不相称である。甲幅 25cmに達し,甲の輪郭はやや丸みのある五角形

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百科事典マイペディアの解説

タラバガニ

タラバガニ科の甲殻類。カニの名がつくがカニ類ではなく,ヤドカリに近い。甲は前方にせばまった円形で,甲面には約20数個,周縁に約30個の円錐状のとげがある。はさみ脚および3対の歩脚は強大でとげが多く,第4歩脚は縮小して甲の陰に隠れる。
→関連項目イバラガニカニ(蟹)カニ(蟹)工船(漁業)

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栄養・生化学辞典の解説

タラバガニ

 [Paralithodes camtschaticus].キングクラブともいう.甲殻綱エビ目ヤドカリ下目タラバガニ属の節足動物で,ヤドカリに近い種.食用にされる.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タラバガニ
たらばがに / 鱈場蟹
king crab
[学]Paralithodes camtschaticus

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目タラバガニ科に属する海産動物。外形はカニ型であるが、雌の腹部が左右不相称で、腹肢が左側にだけしかないこと、雄に交尾器がないこと、最後の脚(あし)が小さくて鰓室(さいしつ)内に差し込まれていること、はさみ脚の長節が腕節より短いこと、雌の生殖孔が第二歩脚の底節に開いていることなどの特徴により、分類学的には異尾類(ヤドカリ類)に属している。寒海性で、日本海、北太平洋、北極洋の水温10℃以下の冷水帯に広く分布し、タラの漁場と重なるためにこの和名がある。分布北限はアラスカの北極洋沿岸、南限は日本海では隠岐(おき)諸島付近(北緯36度)、太平洋側では襟裳(えりも)岬(北緯42度)、東太平洋ではカナダ沿岸(北緯50度)である。生息深度は北方ほど浅く、北極洋では水深30メートル、北海道では180~210メートル、日本海南部では350メートル内外で漁獲されるが、年齢や性、季節などによって変化する。
 甲幅25センチメートルに達する大形種で、甲の周縁に突起が並んでいる。背面の各甲域に大小の突起がある。額角(がっかく)の中央棘(きょく)は長く、とがっている。甲幅10センチメートルほどになると生殖可能で、4月中旬から5月中旬にかけて水深30~50メートルに集まって交尾するが、雄は交尾器をもたないため、正確には交接による体外受精である。交尾に先だって、雄が雌のはさみ脚を上から挟んだハンドシェーキングとよばれる前戯行動が3~7日間も続き、そのあとに雌が脱皮して産卵すると雄が精子をかける。卵はわずかに楕円(だえん)形で、長径0.8~1.0ミリメートル、短径0.7~0.9ミリメートルである。卵数は大形個体ほど多く、甲幅14センチメートルで13万粒、15センチメートルで18万粒、17センチメートルで27万粒である。抱卵期間は約1年で、翌年3月中旬から5月にかけてゾエア幼生が孵化(ふか)する。孵化直後は中層を泳いでいるが、第1回の脱皮以後は15~75メートルの海底近くを遊泳し、グラウコトエ幼生になると完全な底生生活に移る。第一稚ガニは甲幅がわずか2ミリメートルほどしかなく、1年後にようやく1センチメートル、5年後に4センチメートル、10年たってから生殖可能の大きさになる。成長は遅く長命で、雄の寿命は30年、雌は27年くらいと推定されている。
 肉は美味で、大部分は缶詰にされる。和風では、酢の物、混ぜずしなど、洋風ではカクテル(前菜)、サラダ、コキール、コロッケなど、中国料理ではスープ、卵焼き、炒飯(チャーハン)などにされる。[武田正倫]

漁業

アラスカおよびカムチャツカ半島西方の大陸棚が主漁場で、カニ籠(かご)やカニ刺網で漁獲されている。アラスカ漁場では餌(えさ)を入れた籠を海底に沈め、その中へカニを落とし入れて漁獲し、西カムチャツカ漁場では春から夏季に海底に張り立てた帯状の底刺網に絡めて漁獲する。また、操業形態には、陸地を基地とするカニ漁業のほかに、漁獲物を洋上で製品化する工船式(母船式)カニ漁業があった。この漁業は日本の伝統的漁業であったが、1975年アメリカやソ連の禁漁によって海外漁場が消滅したため、現在は行われていない。日本における年漁獲量の推移は、1975年(昭和50)1823トン、1994年(平成6)472トン、2001年(平成13)181トンと減少している(農林水産省「2007年海面漁業生産統計・長期累年統計表一覧」による)。タラバガニは成長が遅く、したがって、漁獲により減少した資源が回復するには長年月を要し、増養殖も困難な状況にある。[笹川康雄・三浦汀介]

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