チタニア

デジタル大辞泉 「チタニア」の意味・読み・例文・類語

チタニア(titania)

二酸化チタン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チタニア」の意味・わかりやすい解説

チタニア
ちたにあ
titania

一般には二酸化チタンのことをさすが、1980年代になって合成された金紅石ルチル)型の原子配列をもった白色粉末、あるいは無色淡黄色の透明で人工宝石としても用いられるようなものをさすようになってきている。平均屈折率ダイヤモンドのそれより大きいが、光の波長による分散がより著しいため、光り方は強くても、一見して合成宝石とわかるため、宝石としてはあまり用いられなくなってきている。むしろこれを主体としたセラミックスをつくり、これを汚水中に置いて、その表面に太陽光線を当てることで浄化作用が行われるという利用方法が開発されている。

加藤 昭]

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化学辞典 第2版 「チタニア」の解説

チタニア
チタニア
titania

TiO2組成の酸化チタン(Ⅳ).鉱物にはルチル(2TiO2正方),鋭すい石(4TiO2,正方),イタチタン石(8TiO2,斜方)の3種類の同質異像がある.天然には,高温で生成される火成岩変成岩の副成分鉱物として分布し,ルチルとして存在する場合が多い.人工的には,TiCl4またはTiF4加熱分解,工業的には,チタン鉄鉱を濃硫酸で溶かし,高温で加水分解加熱脱水してつくる.融点1855 ℃.ルチルは Fe3+ の含有量が多くなると赤色が濃くなる.人工的には無色透明結晶が得られ,屈折率が高いので宝石として,チタニアという商品名で知られている.鋭すい石は900 ℃ 以上で,イタチタン石は700 ℃ 以上でルチルに転移する.[CAS 1317-80-2][別用語参照]二酸化チタン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チタニア」の意味・わかりやすい解説

チタニア
Titania

天王星衛星で,内側から4番目に位置する。 1787年 W.ハーシェル発見。平均光度 13.7等,半径約 800km,公転周期は8日 16時間 57分。質量は月の 17分の1。

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世界大百科事典(旧版)内のチタニアの言及

【天王星】より

…1966年と2008年は赤道が太陽を向き,1985年は北極が,2030年は南極が太陽に向く。 天王星は,ミランダ,アリエル,ウンブリエル,チタニア,オベロンという衛星をもっているが,みな数百kmの半径をもつ比較的小さい衛星である。このほか,ボエジャー2号が発見した半径数十kmの衛星が10個ある。…

※「チタニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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