チョッキ(読み)ちょっき(その他表記)jack

翻訳|jack

デジタル大辞泉 「チョッキ」の意味・読み・例文・類語

チョッキ

《〈ポルトガルjaquetaからか》袖なしの短い胴着。ベスト。ジレ
[類語]胴着ベスト

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精選版 日本国語大辞典 「チョッキ」の意味・読み・例文・類語

チョッキ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ポルトガル語] jaqueta からか ) 袖なしで、たけの短い胴衣。普通は背広三つ揃い一つとして、上着の下、ワイシャツの上に着る。ベスト。ジレ。
    1. [初出の実例]「一、黒羅紗袖無し〈チョッキ〉四ドル」(出典:万国新聞紙‐四集・慶応三年(1867)五月下旬)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョッキ」の意味・わかりやすい解説

チョッキ
ちょっき
jack

中世歩兵が防護用に用いた、キルティングや詰め物をした革製の袖(そで)なし胴着、あるいはそれに似た形をした服のこと。ヨーロッパ中世の王侯貴族が小作人階級を軽蔑(けいべつ)してジャクリーjacquerie(小作人という意味のjacques bonhommeにちなむことば)とよんだことから、しだいにジャクJaques, Jacquesが小作人のことを、さらにはジャックjacqueが小作人の短い上着をさすようになって、冒頭の意味に転じたものと思われる。

 日本では1864年(元治1)に長州征伐のために編成された幕府軍の軍服に、小胴衣、舶来胴衣、唐人胴衣などの名称で用いられ始めたといわれる。チョッキという俗称は、1868年(明治1)ごろには定着したものと思われるが、英語のジャケットjacketからの派生語だとする説(和英語林集成)、あるいはオランダ語のjakの訛(なま)った語とする説などがある。現在では、英語のウエストコート、ベスト、ときにはフランス語のジレとほとんど同義に用いられている。

 正式の男物のスーツ、タキシード燕尾(えんび)服にはチョッキが用いられることが多く、平常着には共布で、礼装用には別布でつくられる。第二次世界大戦後、礼装以外のチョッキ着用は省略されるようになったが、着用の有無は流行によって決まる。また、上着とは異なった色柄のものをアクセントとする目的で着用することもある。概してチョッキの後ろ身頃(みごろ)には滑りのよい拝絹地などが用いられ、襟はあったりなかったりで、打合せはシングルかダブル、ポケットは2~4つなど、その上に着用する上着の種類によってデザインが異なる。スーツ用以外のものには、ある目的をもつもの(乗馬用のライディング・ベスト、聖職者のためのクレリカル・ベスト、防弾チョッキ、スポーツ・ベストなど)や、素材からみて、毛糸で編んだニッティド・ベストや毛皮ファー・ベスト、ホワイトグースのダウンの入ったダウン・ベストなどがある。

[田村芳子]

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改訂新版 世界大百科事典 「チョッキ」の意味・わかりやすい解説

チョッキ

袖がなく丈の短い胴衣で,セビロ(背広),ワイシャツなどと同じように日本独自の疑似外来語の服飾用語。英語のベストと同じ意味で使われる。背広のチョッキ,毛糸のチョッキなどというように用いられ,明治以来ごく一般的な用語だったが,1960年代から70年代にかけてほとんど一般的には使われなくなり,それに代わってベストという呼び方がごく普通になった。チョッキという名称には英語のjack,フランス語のjaque,ポルトガル語のjaque,オランダ語のjakなどとさまざまな由来が考えられているが,いつ,どこからという正確な事実はわからない。チョッキの最も古い記載は1867年(慶応3)5月刊の《万国新聞》で,幕末から明治初期にかけての時代にこの用語が定着したと推定されている。チョッキには直着,卒着,背心,短衣,胴着などの漢字が当てられていた。
ベスト
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョッキ」の意味・わかりやすい解説

チョッキ

ウエストないし腰丈程度の洋服型の袖なし胴衣。オランダ語のヤック jak,あるいは直着 (ちょくぎ) が転訛した語とされ,英語ではウエストコート waistcoat,ベスト vest,またフランス語ではジレ giletという。 17世紀になると西洋の男性の表着が,コート型の長上衣となって,その前を開いたままで着用するのが慣例化したが,当時の胴衣はもも丈で,なかには袖付きのものもあった。これが今日のチョッキ型に変るのは 18世紀末,男性の市民服がフロックコートモーニングコート型になって以後のことである。 19世紀に入っても,上衣,ズボン,チョッキはそれぞれ別布仕立てが一般であったが,同中期以後になるとスーツ (三つぞろい) の概念が一般にも定着するようになった。今日では広く男女に着用され,前開き形式でボタン留めかファスナーが多い。

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デジタル大辞泉プラス 「チョッキ」の解説

ちょっき

沖縄県石垣市、ちょっき屋の菓子。中にフルーツなどの餡が入った焼き菓子。名称は八重山地方で「おやつ」を意味する方言。「茶うけ」がなまったものとされる。

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百科事典マイペディア 「チョッキ」の意味・わかりやすい解説

チョッキ

ベスト

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世界大百科事典(旧版)内のチョッキの言及

【ベスト】より

…丈の短い袖無しの胴衣で,日本ではチョッキともいう。ベストはアメリカでの名称であり,イギリスではウエストコートwaistcoatと呼ぶ。…

※「チョッキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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