アメリカの女流詩人。マサチューセッツ州のボストンに近いアマーストに生まれる。17世紀の創設以来、ピューリタニズムの伝統に生きるアマーストにあって、彼女はついに正式な信仰告白をすることもなく、生涯を終える。しかし、生来宗教心は厚く、つねに彼女自身の神を求めていた。ディキンソンはアメリカ文学史上、ホイットマンと並び称される詩人として評価は高いが、生前発表した詩は数編にすぎず、彼女の1775編に及ぶ詩業の全貌(ぜんぼう)が明らかにされたのは三巻本の『全詩集』が刊行された1955年のことである。彼女の詩では、自然、愛、死、神などの主題が扱われている。その詩風は、歌う、あるいは語るホイットマンとは対照的で、知的、即物的、硬質でイメージが簡潔に凝縮している。現代詩に通ずるディキンソンの詩は、20世紀のイマジズム興隆と形而上派詩人(メタフィジカル・ポエット)再評価に伴い、改めて高く評価された。
[古平 隆]
『中内正夫著『エミリ・ディキンスン』(1981・南雲堂)』▽『新倉俊一訳『世界詩人全集12 ディキンソン詩集』(1968・新潮社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新