デザイン入りナンバープレート(読み)でざいんいりなんばーぷれーと

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デザイン入りナンバープレート
でざいんいりなんばーぷれーと

地域を象徴する景勝地、イベント、特産品、キャラクターなどの図柄や形状を取り入れた自動車、バイクなどのナンバープレート。「図柄入りナンバープレート」「ご当地プレート」「イラスト入りプレート」ともよばれる。海外ではニューヨーク州の「自由の女神」図柄入りプレートなどのあるアメリカをはじめ、カナダ、オーストラリアなどで広く普及している。日本では長く、道路運送車両法(昭和26年法律第185号)でプレート表示は決められた様式に限定されていたが、2000年代に入って、アメリカに倣い観光振興や地域PRにつなげるため、デザイン入りプレートが容認・導入された。

 日本で最初に容認されたのが、地方公共団体が交付するオートバイ(125cc以下の原動機付自転車)やトラクター(小型特殊自動車)のプレートである。これらは課税証明として交付され国の道路運送法などの法的規制を受けない。このため、2007年(平成19)、愛媛県松山市が地元の魅力をアピールするため、松山を舞台にした司馬遼太郎(しばりょうたろう)の小説『坂の上の雲』にちなんで雲をイメージした形状のプレートを採用。これが話題をよび「走る広告塔」として全国で採用する自治体が増えた。一般財団法人日本経済研究所によると、2020年(令和2)3月末時点で全国565市区町村がオートバイなどのデザイン入りプレートを導入し、カーリングのストーン(北海道北見市)や漫画『ゲゲゲの鬼太郎(きたろう)』の絵柄入り(東京都調布市)などのプレートがある。

 自動車や軽自動車では、2015年に道路運送車両法が改正され、デザイン表示が可能になった。ラグビーワールドカップ日本大会や東京オリンピック・パラリンピックの記念デザイン入りプレートが2017年から競技開催自治体で交付。国土交通省によると、2020年5月時点で全国58地域に地方版デザイン入りプレートがあり、伊達政宗(だてまさむね)と七夕(たなばた)(仙台)、トキ(新潟)、阿波(あわ)踊り(徳島)、ご当地キャラクターのくまモン(熊本)などをあしらったプレートが登場している。地方版は大きさ(大板、中板)やカラーの有無などで6種類あり、白黒プレートの交付手数料は自動車用大板が1万1020~1万5190円、自動車用中板が7380~8740円、軽自動車用中板が7440~9450円(2020年時点)。手数料に追加で1000円以上を寄付するとカラーとなる。寄付金は観光振興やバリアフリー対策に活用される。

 日本では地域振興策として、ナンバープレート表示の規制緩和が進んでいる。国土交通省は1998年(平成10)に好みの自動車登録番号を選択できる希望ナンバー制を導入。2006年10月には登録台数10万台超の地域で「仙台」「伊豆」などのご当地ナンバーを認め、2020年には同5万台以上に条件を緩和してご当地ナンバーを増やした。海外ではアメリカが州・特別区独自のデザインや愛称・標語などの表示を認めているほか、カナダ、オーストラリア、メキシコなども地域ごとのデザインを表示。ヨーロッパではフランス、ドイツが県や州を示す公章を表示し、アジアではタイ、フィリピンがデザイン入りのプレートを認めている。ただ中国、インド、ブラジル、ロシア、スウェーデンなど多くの国・地域はデザイン表示を認めていない。

[矢野 武 2020年10月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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