デマゴーグ

デジタル大辞泉 「デマゴーグ」の意味・読み・例文・類語

デマゴーグ(〈ドイツ〉Demagog)

デマ1を用いる政治家民衆扇動家。扇動政治家。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「デマゴーグ」の意味・読み・例文・類語

デマゴーグ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Demagoge [フランス語] démagogue )
  2. デマを手段として用いるような政治家。煽動政治家。
    1. [初出の実例]「彼は単に似而非(えせ)民権家なり。所謂 Demagogue(デマゴーグ)(私利党)の亜流なるのみ」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一〇)
  3. デマゴギー
    1. [初出の実例]「人の好い村川が、無意識にふりまいた、デマゴオグも、また相当の反響があったと思はれます」(出典:オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デマゴーグ」の意味・わかりやすい解説

デマゴーグ
でまごーぐ
demagogue

感情的・情緒的アピールを駆使して大衆の激情や偏見に訴え、権力(公的ポスト)を獲得・維持しようとしたり、その主張を拡散しようとする政治家。客観的事実に対する理性的反応より、自己の政策の正当性や敵対者の不当性に対する情緒的反応をかきたてようとして扇動的言辞が活用される。カリスマ型リーダーに多い。アドルフ・ヒトラーがこの例である。言論・表現・報道の自由、定期的選挙が制度化されている民主政治では、対抗権力が事実究明力をもつためデマゴーグの運命短い

[岡沢憲芙]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「デマゴーグ」の解説

デマゴーグ

刺激的な言説詭弁(きべん)、虚偽情報の発信などにより、人々の意思や行動を発信者に都合のいい方向にあおり立てようとする者のこと、特にそのような政治家のこと。民衆扇動家。本来は、古代ギリシャの民主政治において民会決議を左右する弁舌を振るった「民衆の指導者」のことを表す言葉だが、現代ではほとんどの場合、上記のような否定的な意味合いで用いられる。カリスマ的指導者のもとで行われやすい。近年ではインターネットの普及により、独善的な主張や虚偽情報などを拡散する一般人に対して使われることもある。

(2016-10-6)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デマゴーグ」の意味・わかりやすい解説

デマゴーグ
demagogue

古代ギリシアの民主政治において,その声望および弁舌によって民会の決議に影響を与えて,政治を左右する者,つまり「民衆の指導者」を意味したのが原義であるが,現代では刺激的な弁舌,文章によって大衆を政治的に動員する扇動政治家をいう場合が多い。デマゴーグによって,特定の政治目的のために意図的に捏造され,流布される虚偽の情報がデマゴギーであって,一般にデマと略されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「デマゴーグ」の解説

デマゴーグ
demagogos[ギリシア],demagogue[英]

ギリシア語で「民衆(demos)を導く者(agogos)」の意。自己の政権獲得のための手段として,民衆を味方につける者。したがって,民衆指導者の政治上の功罪は指導者当人の人材による度合いが大きい。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android