デュボア(Marie Eugène François Thomas Dubois)(読み)でゅぼあ(英語表記)Marie Eugène François Thomas Dubois

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デュボア(Marie Eugène François Thomas Dubois)
でゅぼあ
Marie Eugène François Thomas Dubois
(1858―1940)

オランダの解剖学者、人類学者。アムステルダム大学で医学および博物学を学び、当時有名になったダーウィンの進化論に強い関心をもった。やがて、ダーウィンが予見した、ヒトとサルとの中間の化石を発見しようと決意し、1889年、軍医に志願してスマトラに渡った。翌1890年からジャワで調査を開始し、1891年にソロ川中流のトリニールで古い人類化石を発見、これにピテカントロプス・エレクトゥスPithecanthropus erectusという学名を与えた。これがジャワ原人の発見の端緒となったが、現在では他の同時代の化石人類とともに、ホモ・エレクトゥスHomo erectusとよばれている。発見当時は、人類の進化に関する知識が乏しかったために業績が評価されなかったが、やがてその正当性が認められ、アムステルダム大学の地質古生物学教授に就任し、また同大学の名誉学位が贈られた。

埴原和郎 2018年11月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android