フィリップ4世(読み)フィリップよんせい(英語表記)Philippe IV, le Bel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリップ4世」の意味・わかりやすい解説

フィリップ4世
フィリップよんせい
Philippe IV, le Bel

[生]1268. フォンテンブロー
[没]1314.11.29. フォンテンブロー
フランス王 (在位 1285~1314) 。長身容姿から「美男王」とも呼ばれた。 P.フロート,G.ノガレらの法曹家に守られ集権体制を強化した。 1284年のジャンヌ・ド・ナバールとの結婚によりナバール,シャンパーニュ地方を合併。経済要地であるフランドルおよびギュイエンヌ征服を企てイングランドと対戦した (1294~99) が,1302年のブルーヘ (ブールジュ) 虐殺事件やクールトレーの戦いにいたるフランドル住民の抵抗を受けるなど,目的を達しなかった。この戦費調達のため,国内聖職者課税,テンプル騎士団 (神殿騎士修道会) 解散によるその巨大財産没収 (1307~14) などを実施,そのためローマ教皇と対立した。王は 02年,全国三部会を招集して国内有力者の支持を取付けると同時に,03年アナーニに教皇ボニファチウス8世を襲い幽閉 (→アナーニ事件 ) ,09年教皇クレメンス5世をアビニョンに移し,フランス王のもとに教皇を制圧した。

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