デンマーク史(読み)デンマークし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「デンマーク史」の解説

デンマーク史
デンマークし

ローマ帝国時代,デンマークに居住していたゲルマン諸族が民族移動期に各地に移動すると,スウェーデン南端のスコーネの故土から北方ゲルマン人に属するデーン人が移住してシェラン島,ユトラント (ユラン) 半島に勢力を伸ばし,スキョル朝のもとで最初のデーン王国を形成した。9~11世紀のバイキング期,デーン王国は北欧の強国となり,さらに国王に率いられ北部沿岸イングランド,フランス西岸を略奪してノルマンディー公国を建設した。 10世紀前半にはキリスト教化も進行した。 11世紀末から 14世紀にかけて,内乱と外圧,およびハンザ同盟による経済的支配に悩まされたが,14世紀後半バルデマール4世の頃から強大となり,娘マルグレーテは 1397年婚姻政策を背景にカルマル同盟を成立させ,ハンザ同盟に対する一大勢力となった。 1460年にはシュレースウィヒ=ホルシュタインとの同君連合を実現したが,1523年スウェーデンがグスタフ1世の指導によって反乱を起し,分離独立した。 16世紀にはルター派の国教会制度を導入し,同世紀末クリスティアン4世のもとで強化された王権は 17世紀後半,フレデリック3世の治下,貴族の勢力を押え,市民階級の支持を得て絶対王政を確立し,重商主義政策と平和主義政策を維持した。スウェーデンの独立後も長くノルウェーを支配した。 18世紀後半農民解放,出版の自由,義務教育など啓蒙的専制君主の改革の時代を経て 19世紀中頃,フランス七月革命の影響もあって立憲君主制に移行した (1849) 。デンマークは 1814年ノルウェーをスウェーデンに割譲し,64年にはシュレースウィヒ,ホルシュタイン両国に対する一切の権利を失ったが,農業を近代化し,酪農の協同組合化を通じて経済発展に努力し,ヨーロッパの思想,学芸への寄与も大きかった。労働組合を基礎とする社会民主党の政権下に第1次世界大戦中は中立を維持したが,第2次世界大戦中はナチス・ドイツの侵略を受け占領された。大戦中,ナチス・ドイツに対するレジスタンスが果敢に行われた。戦後は中立政策の伝統を破って,1949年北大西洋条約機構に加盟,73年にはヨーロッパ共同体 (EC) に加盟した。 93年には国民投票で,ECの統合をさらに進めるマーストリヒト条約を承認した。

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