トチノキ(栃の木)(読み)トチノキ(英語表記)Aesculus turbinata; Japanese horse chestnut

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トチノキ(栃の木)」の意味・わかりやすい解説

トチノキ(栃の木)
トチノキ
Aesculus turbinata; Japanese horse chestnut

トチノキ科の落葉高木。日本各地の山地に生え,湿気が多くしかも水はけのよい場所を好む。庭木や街路樹としても栽植されている。樹高 30mに達し樹形が美しい。樹皮は灰褐色で若い枝には赤褐色の軟毛があるが,のちに無毛となる。葉は長い柄があって対生し,径 30~50cmもの大型の掌状複葉で5~7枚の小葉がある。下面の葉脈上と脈腋に赤褐色の軟毛がある。初夏に,長さ 30cmほどの上向きの円錐花序をなして多数の白色花をつける。花は単性花 (雄花) と両性花とがある。おしべ7本と花弁4枚があり,萼は鐘形で不規則に5裂する。果実は倒卵形で熟すると3裂し,赤褐色の種子を出す。種子中にデンプンがあり,水にさらしてあくを除けば食用となる。古くから救荒食とされた。栃木県の県木となっている。有名なパリのマロニエ A. hippocastanumは同属の近縁種で地中海地方の原産,花が淡紅色のものが多く,セイヨウトチノキともウマグリともいわれる。ウマグリは英名の horse chestnutの直訳である。

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