トムソンガゼル（その他表記）Thomson’s gazelle
Gazella thomsoni

デジタル大辞泉

トムソン‐ガゼル（Thomson's gazell）

ウシ科の哺乳類で、小形のレイヨウの一種。アフリカに分布。頭胴長約1メートル、肩高55～70センチ。

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

トムソンガゼル
Thomson’s gazelle
Gazella thomsoni

偶蹄目ウシ科の哺乳類。脇腹に幅広いよく目だつ黒色の帯模様をもった東アフリカ産の小型のガゼル。体色は全体に赤茶色で，腹面は白色。コンパクトな体に細長い四肢と小さなひづめをもつ。雌雄とも角があり，雄では長さ25～43cmになるが，雌のそれは小さい。体長89～107cm，肩高58～70cm，尾長19～26cm，体重16～25kg。ヌーやシマウマあるいは家畜のウシなどの大型草食獣が採食をすませたあとの，丈が短くなった草地や野火の跡地に好んですみ，早朝と夕方に活動しておもに芽生えを食べる。雄は，相互に22～300mの間隔を取ってなわばりをつくり，子とともに5～50頭の群れで行動する雌群の中の発情した雌と交尾する。妊娠期間は5～6ヵ月，出産期は年に2回，1～2月と7月で，交尾は出産後1ヵ月以内に行われる。出産は，雄のなわばりとなわばりの間の〈中立地帯〉で行われ，1産1子を生む。子はその場にうずくまり，単独で過ごし，1日数回訪れる母親の授乳を受ける。2ヵ月で離乳し，1年で成熟する。
→ガゼル
執筆者：今泉 吉晴

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

日本大百科全書(ニッポニカ)

トムソンガゼル
とむそんがぜる
Thomson's gazelle
[学] Gazella thomsoni

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。東アフリカの草原に、1頭の雄を伴う5～60頭の群れで生活し、おもに草を食べる。しばしばインパラやグラントガゼルと混合群を形成する。

［今泉忠明］

[参照項目] | ガゼル

トムソンガゼル

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

トムソンガゼル
Gazella thomsoni; Thomson's gazelle

偶蹄目ウシ科。体長 1m，体高 60cm内外の小型のガゼル。雌雄ともに 15～40cmの角をもつ。背部は褐色，腹部はやや淡色で，体側に前肢のつけ根から後肢にかけて幅広い黒色の帯がある。また眼の下にも黒色部がある。草原に 30頭ぐらいの小群をつくり生活する。群れは年取った雌のリーダーにより率いられる。チーター，ハイエナなどの肉食獣により捕食される。アフリカのケニア，タンザニアなどに最も普通にみられる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

小学館の図鑑NEO[新版]動物

トムソンガゼル
学名：Eudorcas thomsonii

種名 / トムソンガゼル
科名 / ウシ科
解説 / 数の多いアンテロープで、乾季には100頭以上の大きな群れをつくります。腹側に黒い帯が目立ちます。
体長 / 80～110cm／肩高60～70cm
体重 / 15～50kg
食物 / 草
分布 / アフリカ中央部の半砂ばくから乾燥したサバンナ

オス、メス両方に角。オスの角は最長45…

トムソンガゼルの親子

出典　小学館の図鑑NEO[新版]動物

世界大百科事典（旧版）内のトムソンガゼルの言及

【ガゼル】より

…【今泉 吉典】。。…

【ガゼル】より

…乳頭は1対。　スーダン，エチオピア，ソマリアに分布するゼンメリングガゼルGazella soemmeringi(肩高85～92cm)（イラスト），エチオピアからタンザニアまで分布するグラントガゼルG.granti(肩高80～95cm)（イラスト），サハラ南西部のダマガゼルG.dama(肩高90～120cm)，スーダンからタンザニアにかけて分布するトムソンガゼルG.thomsoni(肩高55～65cm)（イラスト），サハラからインド中部まで分布するドルカスガゼルG.dorcas(肩高55～65cm)，サウジアラビアとイスラエルに分布するマウンテンガゼル(ヤマガゼル)G.gazella(肩高60～80cm)（イラスト），サウジアラビアからパキスタンおよびモンゴルに分布するコウジョウセンガゼルG.subgutturosa(肩高60～80cm)，チベットの3900～5400mの高地にすみ，冬毛が長く羊毛状のチベットガゼルProcapra picticaudata(肩高60～66cm)など，2属約17種がある。これらのうちコウジョウセンガゼルの雌にはふつう角がなく，雄は交尾期になるとのどの一部が膨らんで甲状腺がはれたように見える。…

※「トムソンガゼル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」